武豊線電化にともなう313系の増備について、1300番台4編成8両が神領へ配置となったのに引き続き、Twitter等の目撃から1100番台3編成12両が大垣に配置となる模様です。これで合計20両が確定。全投入数は28両と発表されていますので、残り8両がいまだ不明です。
この件に関しては、すでに既存の記事で多数のコメントをいただいています。今回は、情報を整理するとともに、武豊線の運行図をいい加減ながら作ってみましたので、予想の参考にしてみてください。
まずは、313系1300番台(B500編成)の編成表。これは8月6日の記事でお伝えしたものと同じです。
編成名 | クモハ313 | クハ312 | 投入年 |
---|---|---|---|
B501 | 1309 | 1309 | 2011/2012年 (運用中) |
B502 | 1310 | 1310 | |
: | : | : | |
B516 | 1324 | 1324 | |
B517 | 1325 | 1325 | 2014年 |
B518 | 1326 | 1326 | |
B519 | 1327 | 1327 | |
B520 | 1328 | 1328 |
1300番台は2両編成の転換クロスシート仕様(車端部の座席はロングシート)。このうち、B500編成はワンマン対応です。
B501編成が1300番台のトップナンバーになっていないのは、非ワンマン車のB401~B408編成に車番1301~1308が充てられているためです。既存の1300番台B501~B516編成は、飯田線の車両更新に合わせて増備されたもので、関西線・中央線木曽地区が主たる運用路線。間合いで中央線名古屋口の増結にも使われます。
今回、増備されたのは4編成(B517~B520)8両。現在は足慣らしで、中央線・関西線の運用に入っています。
続いて今回増備された大垣配置の1100番台の編成表です。1100番台は4両編成の転換クロスシート車(車端部ロング)。クモハ・モハ・サハはすべて同じ車番。クハだけが400番台で異なります。
編成名 | Mc | T | M | Tc' | 投入年 |
---|---|---|---|---|---|
J1 | 1103 | 410 | 2010年 (運用中) |
||
J2 | 1104 | 411 | |||
: | : | : | |||
J7 | 1109 | 416 | |||
J8 | 1111 | 418 | 2014年 | ||
J9 | 1112 | 419 | |||
J10 | 1113 | 420 | |||
|
こちらも車番について解説が必要でしょうね。J1の車番が1101じゃないのは、神領のB編成に2編成が充てられているため。クハ(400番台)については、神領のB編成のほか、B100(1600番台)・B150(1700番台)のクハに合計9両が充てられているため、J編成は410から始まっています。また、J7と今回増備のJ8の車番が一つ空いているのは、神領のB6編成です。
既存の1100番台は、117系の置き換えにあたり増備されたもの。今回は3編成12両の増備が確認済みです。
さて、残り8両がどうなるかですが、ここで武豊線の現行ダイヤについて、いい加減な運用行路図を描いてみました。下の画像をリンクすると開きます。PDF形式です。
なお、この図はテキトーです(笑)。運用も分かる範囲でつなげただけで、正確ではありません。電化時の所用本数がわかればいいかな?ぐらいで作ったものです。回送も行路数が割り出せる程度に想定で引いてあり、これ以外にも回送はあると思います。
ダイヤ上の行路ですが、
としています。キハ75は2+2の4両単位の運用が多いですが、早朝深夜に2両に分かれるワンマン運用があります。
JR東海のプレスリリースによれば、武豊線の電化にあたってとくにダイヤを増強することは書かれていません。ですから、現行ダイヤの輸送力のままと考え、朝の所用本数を勘定してみると、キハ25が2両×4本=8両、キハ75が2両×10本=20両、合計28両が必要であることがわかります。
28両といえば、313系の増備本数と一致します。予備車も既存の車両と共用するつもりなんでしょうね。
さて、10時から17時近くまでは、武豊線内の折り返しワンマン運行の時間帯です。本数を勘定してみると、ちょうどワンマン車3本で足りることがわかります。
ですから、新たに増備した1100番台は、昼間の武豊線がらみの運用はほとんどないことになります。完全に遊ぶことはないでしょうから、残りわずかな既存の311系の昼間運用を置き換えることになるでしょうか。となると、昼間の東海道線は、完全な313系ワンメイク。一方で昼間の中央線はまだ211系がたくさん走っていますので、ひょっとすると中央線でアルバイトをするのかもしれません。
では、残りの8本が何になるか、1100番台の昼間の使い道など、みなさんで予想をお続けください。
10月8日のJ8編成からしばらく時間が空きましたが、日車で目撃のあった313系1100番台J9・J10編成が12月3日に大垣車両区に配備となった模様です。さらに、年が明けて1月14日、神領に1300番台B521~B524編成が入りました。
さらに追記です。武豊線の電化開業は2015年3月1日に決定しました。さらに3月14日のダイヤ改正では夕方の増発も行われます。詳しくは次の記事を。
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みなさんにご協力をいただいているJR東海運用情報ですが、おかげさまで米原地区以外の運用がコンプリートしました。情報をお寄せくださった皆さんに感謝いたします。
さて、あまり話題になっていないのですが、今回の改正で中央西線からあるものがなくなっていることがわかりました。消えたあるものとはセミクロスシート車です。
セミクロスシート車は、ボックスシートとロングシートを組み合わせた車内レイアウト。一昔前に多く見られた近郊形のスタイルです。中央西線も近年はロングシート車と転換クロス車ばかりになりましたが、それでも細々とセミクロス車の運用が残ってはいました。ところが、営業運転は今年の3月に消えてしまったようです。
まず、ご存知のように、JR東日本から塩尻~中津川間に乗り入れていた115系(長野所属)が、211系3000番台のロングシート車に変更となりました。これに加えて、早朝深夜にわずかな運用があった211系0番台(神領所属)の運用が、ひっそりと消滅していたんですね。中津川~塩尻については、JR東日本の運用次第でセミクロス車の1000番台が入る可能性もありますが、名古屋口では完全消滅しています。
中央西線におけるセミクロス車運用の変遷を表にまとめてみました。以下、順に見ていきます。
年度 | 名古屋口 | 木曽地区 | |||
---|---|---|---|---|---|
113系 | 313系 3000 | 211系 0番台 | 313系 3000 | 115系 (JR東) | |
1999年12月~ | 運転 | 運転 | - | 運転 | 運転 |
2007年10月~ | - | 運転 | - | 運転 | 運転 |
2012年3月~ | - | - | 運転 | - | 運転 |
2014年3月~ | - | - | - | - | - |
1999年12月のダイヤ改正。ちょうどJR東海運用情報ページを開設したときにあたりますが、これはJR東海始まって以来の大改正でした。180両余りの313系が大垣・神領区に投入され、特別快速やセントラルライナーが登場。ダイヤ・運用も大きく変わり、中央西線では103系・165系が引退しています。
一方で、状態のよい113系2000番台は、まだ中央線で運用を残していました。また、関西線・中央線木曽地区にはセミクロス車の313系3000番台がメインの車両となり、間合いで中央線名古屋口にも使われました。このほか、2005年の愛知万博開催時には、静岡の113系が大挙して中央線の応援に当たったこともあります。
313系の3次車が2007年に投入、神領区には1100/1600番台が計20両新製配置となり、113系の運用を置き換えました。この時点で、中央西線の国鉄形はJR東日本から乗り入れる115系のみとなりましたが、313系3000番台がまだ幅をきかせていました。
これでしばらく神領区には車両の動きはないと思っていたのですが、飯田線の119系の置き換えにあたり、思わぬ動きが出ました。飯田線に直接新車を入れるのではなく、313系3000番台と213系が充てられることになり、その代わりに関西線・中央線木曽地区用に、転換クロスの313系1300番台が新製配置となったのです。これにより、3000番台はすべて大垣区へ転出。一気にセミクロス勢力が減りました。
一方で、213系の転出の補填として、セミクロスの211系0番台が大垣区より神領区に転入。主として関西線で使われましたが、早朝と深夜に中央線名古屋口でも運用がありました。
そして2014年3月。JR東日本から乗り入れていた115系が211系3000番台(ロングシート車)に置き換わり、中津川~塩尻のセミクロス車運用が消滅。
211系0番台の運用数も関西線では変化がなかったものの、中央線の運用は消滅しました。以前の211系0番台の運用は、1本が関西線の桑名停泊。もう1本は、中央線下りの終電で神領へ戻り、翌日の早朝に名古屋への送り込みを兼ねて営業列車で運行していました。ところが、改正後はこの1本も関西線の亀山停泊となり、早朝・深夜の中央線運用が消滅。神領との往復は、すべて回送列車となった模様です。
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先日の記事でお伝えした313系5次車1300番台(B517~B520)ですが、9月2日頃より関西線・中央線で運用を開始したようです。とりあえずは、既存のB500編成の運用で足慣らしってとこでしょうか。武豊線での電車試運転は11月からの予定です。
今日(9月4日)の夕方、中津川発名古屋行きの快速(2752M)の先頭にB519編成が充当されていたので、5次車で唯一変わったLED照明を撮ってきました。スマホなので画質はご勘弁。半円形のカバーがかかっており、LED照明らしい「つぶつぶ感」もなく、車内はとても明るい印象を受けました。整理券発行機は従来と変わらないですね。
この記事は9月3日のキハ25形1000番台登場の追記として書いたものに、新たに車内の写真を加えて再構成したものです。
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本日、キハ25形気動車の2次車として新番台区分の1000番台・3編成6両(P101~P103編成)が、美濃太田車両区に新製配置となりました。豊川の日本車輌製造から公式試運転を兼ね、自力回送した模様です。
キハ25の2次車は、JR東海管内の旧式気動車を置き換える目的で導入されたもので、高山線系統・紀勢線系統での運用が見込まれています。JR東海では初のビードレスステンレス車体が採用されるなど、1次車と比べて仕様が異なっていることが特筆されます。
JR東海では、電車に引き続き、旧式の在来線気動車の取替に着手。美濃太田区や伊勢区に残るキハ40・48形などの国鉄型気動車を自社形に置き換える計画です。これにより、JR東海が保有する全ての気動車がJR発足以降に新製した車両になるとのこと。このほかJR東海発足以降に新製したキハ11も一部置き換え対象になるのではないかとも言われています。
キハ25形2次車の新製計画は2年度に渡り、計26編成52両。このほか、武豊線の電化によって余剰となるキハ25形1次車・キハ75形も、旧式気動車の置き換えに充てられる予定です。
以上、JR東海ニュースリリース「平成 26 年度重点施策と関連設備投資について」(PDF形式・2014.3.27)からの抜粋です。
さて、キハ25の1次車はその形状や車内のレイアウトに至るまで、313系1300番台と酷似していました。ほぼ同一の車体に、2両編成のワンマン対応、転換クロスシートなど。
一方、今回投入された2次車はかなり様子が違います。2両編成のワンマンこそ同じですが、ビードのない車体にロングシート、さらに1次車では準備工事であったステップが付いています。違いを表にしてみました。
項目 | 1次車 | 2次車 |
---|---|---|
編成番号 | P1~P5 | P101~ |
番台区分 | 0/100 | 1000/1100 |
座席 | 転換クロス | ロング |
構体 | ビード付きステンレス鋼 窓周り梨地仕上げ |
ビードレスステンレス鋼 全面光沢仕上げ? |
ドアステップ | 準備 | あり |
前面表示器 | 2箇所 | 1箇所 |
投入年度 | 2010年度 | 2014・2015年度 |
投入両数 | 5編成10両 | 3編成6両(現在) 全26編成52両(予定) |
その他 | - | 振動検知装置 鹿衝撃緩和装置 LED室内灯 |
2次車でとりわけ特徴的なのがビードレスの車体、つまり折り目のないステンレス車体です。313系は車体の上部と腰部にビードを付けています。最近の他社の車両はビードのないものが多いので、やや古めかしいとの意見も聞かれました。
ところが、キハ25形2次車ではビードのないすっきりした車体となりました。キハ25・313系はもともと窓が固定であるので、ほぼ完全に近いフラッシュサーフェスボディとなっています。
「いよいよJR東海にも時代の波が…」
と思ったあなた、ちょっと待ってください(笑)。実は先日投入されたばかりの313系5次車(1300番台)は従来と同じビード付きなのです。313系5次車とキハ25形2次車は平行して作られていますので、どうも時代の波ではなさそうです。
ここでtwitterに上がっている写真を見てみましょう。
私があれ?と思ったのは、浦川早瀬さんの写真。トイレの部分の壁がやけにテカテカしているのです。211系や313系はビードのない部分は梨地仕上げが施してありました。一方キハ25の2次車は、実物を見ていないので何とも言えないのですが、窓周りの梨地仕上げもやめてしまったようです。光沢仕上げオンリーでしょうか。ステンレス車体は鋼板が薄いので、時間が経つと波を打ってきますが、これが光沢仕上げだと、ベコベコが目立つんですよね(苦笑)。
その他、車両前面の行き先表示器を一つにしたり、ロングシートを採用したりと、なにげにローカル線向けに廉価版仕様とした気がします。JR東海は、投入線区での差別化が小さい会社でしたので、ちょっと意外です。とりわけ車体にまで差を付けるのは珍しく、これこそ、時代の波でしょうか。
ツイッターでも取り上げたわかちゃんさんのブログに写真がたくさんありましたので、紹介しておきます。
下の方に、車内の様子が写った写真がありますが、
このように、コストダウンが随所に見られます。ドアの内貼りは211系5000番台にもあるんですけどね。なお、車内照明は半円形のカバーで、313系5次車と同じでした。
あまり話題に上がっていませんが、JR東海が開発した鹿衝撃緩和装置も付いています。キハ85に付けたものは、えらく巨大でユーモラスでしたが、キハ25の2次車に付いているものは、スカートと調和してあまり目立ちませんね。
キハ25形1000番台、12月1日より高山線・太多線で営業運転に就くようです。
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2015年の春に向けて電化工事が行われている武豊線。前回の記事では、電化の概要と電車線(架線)設備について触れましたが、一方で車両の新製も進んでおり、第一陣として313系1300番台×4編成(8両)が神領車両区に本日新製配備されました。今回は車両の話題です。
武豊線の現在の車両は、名古屋車両区所属のキハ75とキハ25。ともに転換クロスシートを備える2両編成でしたから、電化の暁には313系1300番台が投入されるのは、おおかたの予想通り。
一方で、配置が神領車両区となったことには、違和感を覚えた方もあると思います。武豊線の車両は、直通快速として東海道線の名古屋~大府間を走行するため、一見すると大垣車両区所属とするのが自然な気がします。
しかし、よくよく考えてみると、武豊線の列車は線内運行を除くと名古屋発着が基本です。かたや東海道線は名古屋が中間駅であり、大垣を拠点として岐阜や豊橋で折り返すのが基本です。したがって、東海道線と武豊線の車両運用はあまり相容れないことになります。
一方、現在313系1300番台ワンマン車が運行される関西線は名古屋発着。同じく名古屋発着の中央線でも、313系1300番台は増結車として使われます。関西線や中央線の車両は神領所属であり、神領は大垣よりも名古屋に近いとなれば、神領配置は理にかなってもいるんですね。
313系1300番台は、転換クロスシートに車端部ロングシートの車内構成を持つ2両編成。今回、神領に新製配置となった313系1300番台の編成番号はB517~B520となっています。
1300番台にはB400編成とB500編成があり、仕様が若干異なっています。違いを以下に示します。
No. | 項目 | B400編成 | B500編成 |
---|---|---|---|
1 | 増粘着装置(セラジェット) | なし | あり |
2 | ワンマン設備 | 準備 | 対応 |
3 | スノープラウ | なし | あり |
4 | 霜取りパンタグラフ | あり | あり |
5 | 発電ブレーキ装置 | あり | あり |
従来車(4次車) | 8編成16両 | 16編成32両 | |
今回新製(5次車) | - | 4編成8両(8/6現在) |
B400編成は非ワンマンの暖地向け。中央線の増結用、および関西線のラッシュ時に用いられています。
一方、今回増備されたB500編成は、ワンマンの寒冷地向け。関西線や武豊線には寒冷地仕様は不要ですが、運用範囲が中央線木曽地区にも及ぶための処置となっています。twitterにアップされた写真(B517編成)によれば、今回の増備車にもスノープラウが付いていることが確認できます。
さてJR東海の発表では、武豊線の電化にあたり、28両の313系電車を投入するとされています。
今回は8両が配備されましたが、残りの20両はどうなるでしょうか。すべてB500編成もあり得ますが、現在の武豊線は非ワンマン車両も走っています。ひょっとすると、一部は非ワンマンあるいは4両編成(1100番台)なんてこともあるかもしれませんね。
編成名 | クモハ313 | クハ312 | 投入年 |
---|---|---|---|
B501 | 1309 | 1309 | 2011/2012年 (運用中) |
B502 | 1310 | 1310 | |
: | : | : | |
B516 | 1324 | 1324 | |
B517 | 1325 | 1325 | 2014年 |
B518 | 1326 | 1326 | |
B519 | 1327 | 1327 | |
B520 | 1328 | 1328 |
追記です。1月までに全28両が出そろいました。大垣区所属の1100番台J編成12両(4両×3編成)と、1300番台B500編成が追加8両(計16両)です。
さらに追記です。武豊線の電化開業日が2015年3月1日と決まりました。
また、3月14日のダイヤ改正では夕方の増発も行われます。
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