いよいよ明日にせまったmanaca導入。今日はトランパスや地下鉄1区特別きっぷの発売が終了するとあって、地下鉄の各駅ではまとめ買いをする人も多く見られました。かくいう私は、手持ちの1区特別きっぷがちょうど残回数0となり、
「これは素直にmanacaを使えという天の声?」
と、結局買いだめはやめました^^;
記念manacaとかも発売されるようですが、その手のものには興味もないので、窓口が落ち着いた頃に「たまルン」の使える名鉄系のmanacaを買う予定です。たまルンにはそれほど期待していないんですが、ものは試しということで。でも、記名式のmanacaは名鉄だと券売機で買えないんですよね。ちとめんどい(--;
さて、地下鉄の各駅の自動改札機を見ていると、manaca対応の改札機はさほど多くないようです。基本的に2箇所か3箇所程度。その他の改札機は、旧来の磁気券のみになっていますね。ちょっと意外でした。もちろんmanaca専用機などはありません。
JR東海がTOICAを導入したときは、大半の改札機をTOICA対応にしたように記憶しています。そういえば、春日井駅北口はすべての改札機をTOICA対応にしたのですが、しばらくするとそのうち1基をTOICA専用機に切り替えました。なぜ、わざわざこんなことをするのかな?と不思議だったのですが、TOICAのエリアは徐々に拡大していきましたから、TOICA・磁気券兼用機をTOICAエリア拡大地域に転用したんでしょうね。磁気券を扱える改札機は、高級車が買えるほどのお値段がすると言われていますし。
これに対して、地下鉄は一気に全駅をmanaca対応にしなければなりません。対応エリアを徐々に拡大していったJR東海とは違い、未対応の駅に転用するというワザが使えません。そこで、当初はmanaca対応機の台数を絞り込み、manacaの普及度が高まったところで、'''manaca専用機を導入する'''のではないかと想像します。磁気券を扱わなくてもよいmanaca専用改札機はお値段もお手頃でしょうしね。
名古屋市や名鉄は、manacaのサイトをオープンさせました。細かく読んでみると、両者にはmanacaの取り扱いには、若干の差があるようです。たとえば、manaca対応券売機は、地下鉄にあるものと、名鉄にあるものでは機能が違います。以下に対応の差をまとめてみました。なお、参考までにJR東海のTOICAも比較してみます。
取り扱い項目 | 名古屋市交通局 地下鉄・市バス |
名古屋鉄道 名鉄電車 名鉄バス |
JR東海 (参考) (TOICA) |
|
---|---|---|---|---|
manaca 対応券売機で できること |
チャージ | 可能 | 可能 | (可能/TOICA) |
無記名式 manaca購入 |
可能 | 可能 | (可能/TOICA) | |
記名式 manaca購入 |
可能 | 不可 | ※非定期の 記名式なし |
|
manaca定期券 新規購入 |
可能 (通学定期不可) |
不可 | 不可 | |
manaca定期券 継続購入 |
可能※ (通学定期も可) |
不可 | (可能/TOICA) | |
磁気定期券からの 発行替え |
不可 | 不可 | (可能/TOICA) | マイレージポイント のチャージ |
可能 | 可能 | - |
バス車内で できること |
チャージ | 可能 | 可能 | - |
無記名式 manaca購入 |
可能 | 不可 | - | マイレージポイント のチャージ |
不可 | 不可 | - |
※不可の項目は窓口で行ないます。
※いずれも大人用manacaのみ。
※地下鉄の券売機で他社線連絡定期の継続購入には制限あり(追記参照)。
※TOICAの記名式は定期券しかありません。
さて、券売機にえらく機能の差があることがわかります。地下鉄にある券売機は、磁気定期券からの発行替えこそできないものの、市バスの通勤定期や他社線(名鉄など)との連絡定期も券売機で購入できる多機能ぶりです。
一方で、名鉄の券売機は定期にかかわることは何もできません。ICカード乗車券を購入する動機として「定期券が券売機で簡単に買えるから・券売機で継続購入できるから」を挙げる人も多いのですが、名鉄ではいずれもできないので、窓口に並ぶことになります。JR東海のTOICA対応券売機と比べても見劣りしますね。名鉄は無人駅にも券売機や自動改札を導入していますので、多機能化にはコストの問題があったということでしょうか。
マイレージポイントはいったんセンターに溜まり、翌月の10日以降にmanacaに移し替え(チャージ)を行います。この操作は地下鉄・名鉄の券売機でともに可能ですが、市バス・名鉄バスの車内ではともにできないようです。バスしか使わない人にはちょっと不便ですね。
また、地下鉄の券売機は、名鉄など他社線との連絡定期の購入もできますが、継続購入は交通局で買った定期に限ります。名鉄で購入した連絡定期は、地下鉄の券売機で継続購入できないのでご注意ください。
導入が近づいているmanaca。前回は基本機能についてお話ししましたが、今回は使用上の注意点などを。
manacaはカードの残高(チャージ)で使います。このチャージした金額、あるいはmanacaを買ったときにチャージされている金額を定期代にすることはできません。名古屋市交通局では10,000円のmanacaも売っていますが、「定期代にちょうどいい!」とか言って買っちゃわないように注意しましょう^^;
また、manacaは「マイレージポイント」と呼ばれるポイント還元があります。トランパスにあった「おまけ」(たとえば5000円を買うと5600円使える)の替わりのシステムとして用意されたものです。ですから、もともと「おまけ」の関係ない定期券にマイレージポイントは付きません。
いまのところmanacaはJRで利用できません。また、JRの電子マネー乗車券「TOICA」も名鉄で使うことはできません。となると問題になるのが、JRの改札を間借りしている豊橋駅・弥富駅です。この両駅に関しては、manacaでJRの改札を出ることができます。
ただし、そのままJRに乗り換えることはできません。豊橋・弥富駅までmanacaで名鉄電車を利用し、その後JRに乗換える場合、いったんmanacaを精算するために改札までタッチしに行く必要があります。
金山駅にはJRとの連絡改札がありますが、名鉄でmanaca、JRをTOICAといった2枚のICカードを使う通り方はできません。manacaとTOICAの両方を使いたい人は乗換改札ではなく、通常の改札を通る必要があります。あるいは、manacaかTOICAどちらかに絞って、もう片方は磁気券で乗換改札を通ります。
また、名鉄名古屋駅には近鉄との乗換改札もありますが、ここも同様です。近鉄ではPiTaPaやICOCAが使えますが、manacaと組み合わせて通ることはできません。
一度manacaに発行替えした定期券を、磁気券に戻すことはできないので、乗換改札を使っている人はmanaca定期券にする前に一考の余地ありです。
manacaには交通利用のほかに、manaca加盟店で買い物ができる電子マネー機能があります。ちょうど「おサイフケータイ」や「Edy」のように使えるわけですね。manacaには2種類の発行元があって、電子マネーとして使う場合は違いがあります。下の表をごらんください。
発行会社 | エムアイシー | 名古屋交通 開発機構 |
---|---|---|
購入場所 | 名鉄電車 名鉄バス 豊橋鉄道 |
地下鉄・市バス あおなみ線 ゆとりーとライン |
マイレージ ポイント |
利用可 | 利用可 |
加盟店での 電子マネー利用 |
利用可 | 利用可 |
電子マネーポイント たまルン |
利用可 | 利用不可 |
つまり、購入場所によって異なる会社のmanacaが発行されるわけです。違うと言っても、交通利用に違いはなく、マイレージポイントも相互に溜められ、利用も可能です。異なるのはmanaca加盟店で買い物をしたときにつくポイント「たまルン」の有無です。こちらは名鉄系の発行会社エムアイシーのmanacaでないと、「たまルン」への入会ができません。
さて、この「たまルン」、まだポイント付与率なども明らかになっていませんが、ちょっとシステムはアナログなんですね。以下は名鉄のサイトの抜粋です。
- 会員IDを・パスワードを入力して会員サイトへログイン
- 登録してある「たまルン」ポイント残高を確認
- 発行したい「たまルン」チャージ券の枚数を入力して申請
- 「たまルン」チャージ券が郵送で到着
- 名鉄の取扱窓口へ「たまルン」チャージ券とmanacaを渡してチャージ
基本システムはSuicaなどと共通ですから、拡張に限界があったんでしょうが、…電子マネーと言いつつ、ポイントを使うために、郵送、窓口へ申請って、なかなかのアナログ感覚です^^;
「manaca オートチャージ」で検索して来られる人が多いので、追記しておきますが、manacaにオートチャージ機能はありません。オートチャージとは、クレジットカードなどと組合せて、チャージ残高が少なくなると、自動的にカード口座から引き落としてチャージする仕組みです。SuicaやPASMO、PiTaPaなどで搭載できる機能です。また、方式は若干違いますが、ICOCAにもキャッシュレスでチャージできるSMART ICOCAがあります。
manacaは現在のところ、このような仕組みはありません。
新聞報道などによりますと、名古屋市や名鉄などで2月11日から導入される電子マネー乗車券manacaに関する問い合わせが殺到しているそうです。
東海地方ではJR東海のTOICAがすでにあるのですが、JRを日頃利用しない人は「はじめての電子マネー乗車券」となることも多いでしょう。さらに、既存のSFカードであるトランパスや回数券が廃止となること、その見返りとして導入されるマイレージポイント制度がややこしいことなど、TOICAやSuicaとは違った複雑さがあり、利用者を混乱させているようです。
まず、単純な比較をしてみました。違いがよくわからない、何が変わるかわからないという方は、ざっくりこの表に目を通してみてください。
トランパス (ユリカ) (SFパノラマカード) |
manaca | |
カードの種類 | 磁気券 | ICカード |
利用形態 | 使い捨て | 繰り返し使用 |
自動改札での利用 | 改札機に投入 | 改札機にタッチ |
支払い方法 | プリペイド方式 | |
デポジット | 不要 | 要 500円 |
おまけ(プレミアム) | あり | なし |
マイレージポイント | なし | あり |
販売額 (利用可能額) |
1000 (1000) 2000 (2200) 3000 (3300) 5000 (5600) |
1000 (500) 2000 (1500) 3000 (2500) 5000 (4500) 10000 (9500) 500 (定期券のみ) |
残高が少なくなったら… | 積み増し | チャージ(入金) |
定期券の組込 | 不可 | 可能 |
紛失時の再発行 | 不可 | 可能 (記名式・定期券) |
お買い物 | 不可 | 可能 (一部の店舗) |
どうでしょう?「デポジット」などの聞き慣れない言葉や、販売額と利用額の関係に「え?」と思われた方もいると思います。では、そんな疑問にお答えしていきましょう。
TOICAやSuicaをお持ちの方には当たり前のことも多いと思いますが、manacaの基本について説明します。なお、manacaには小児用、割引用(障害者用)もありますが、ここでは大人用について説明します。
manacaはチャージして使うのが原則ですが、manaca定期券は必ずしもそうではありません。定期券としてだけ使うなら、チャージはなくてもかまいません。無記名式のmanacaは2000円(または1000円)しますが、最初からmanaca定期にすれば、定期代+デポジット(500円)だけで購入できます。もちろんチャージしておけば定期区間外の乗車にも使えますし、乗り越し精算も自動で行えますから、チャージしておくのも有効です。
さて、manaca定期券を持つにはいろんな方法があり、比較的自由です。
地下鉄のmanaca定期券は、1番・2番もmanaca対応券売機で可能です。これまで地下鉄の定期は買える駅が限られていましたが、manaca対応券売機は地下鉄全駅に設置予定です。もちろん継続購入もmanaca対応券売機で可能です。なお、通学定期券は在学証明が必要なので、最初だけ窓口等での購入になりますが、継続購入は券売機で可能です。
また、定期代はチャージとは別に払います。チャージは定期代には充てられないので、注意しましょう。
manacaにはトランパスにあった「おまけ」がありません。5000円チャージしても、トランパスのように5600円にはならないのです。そのかわりに、マイレージポイントという仕組みがあります。これは1ヶ月の利用額に応じて、ポイント還元があり、電車やバスの利用に使えるという仕組みです。
サークルKといえばユニー系列で中部地方に店舗を多数構え、中でも愛知県の店舗数が最多です。一方、Toicaの元締めJR東海は愛知・名古屋に本社を構えています。お膝元同士なのになぜ?
これは今度導入されるmanacaの影響が大きいようです。サークルK・サンクスはmanacaに積極的で、他社に先駆けmanacaのお買い物ポイントシステム「たまルン」を今年の春より導入する予定です。つまり、manacaの導入に合わせ、サークルKは唯一manacaが利用可能なコンビニとして、他社と差別化を図りたいようです。
一方でmanacaは後発のハンデを背負っています。この地域で先行しているToicaとの差別化も図りたいわけですね。そこで、差別化で利害の一致した(?)サークルK・サンクスとタッグを組み、
との戦略を打ち出したようです。
もちろん、これではJR東海も面白くありません。その見返りとして、静岡・岐阜・三重のサークルKはToicaだけというバーター取引がなされたのでしょう。
2年後にはToica・manacaは電子マネーの相互利用が可能になり、それまでの辛抱ではあるのですが、、こういう利用者不在の戦略ってのは、どうなんでしょうねぇ^^; あまり知られていませんが、ToicaはSuicaと相互利用が可能なので、Suicaの使える東京のサークルKでいまでもToicaは利用可能です。それが本拠地名古屋に近づくにつれて、利用できる日がなかなか来ないってのは、なーんか歪んでますね(苦笑)。
Toicaと導入まであとわずかとなったmanacaについて、東海地方のコンビニでどの程度利用できるのかを表にしてみました。現在利用可能な店舗や近々利用できる店舗を白地で、当面利用できない店舗をグレーで色分けしています。
コンビニ | Toica | manaca | |
---|---|---|---|
セブンイレブン | 3月18日より 利用可 |
2013年予定 (Toicaと相互利用) |
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ローソン | 利用可 | 2013年予定 (Toicaと相互利用) |
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ファミリーマート | 3月29日より 一部利用可 |
3月下旬より 一部利用可 |
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サークルK サンクス |
愛知 | 2013年予定 (manacaと相互利用) |
3月7日より 利用可 |
岐阜・三重・静岡 | 1月26日より 利用可 |
2013年予定 (Toicaと相互利用) |
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ミニストップ | 利用可 (Suicaと相互利用) |
2013年予定 (Suicaと相互利用) |
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ヤマザキデイリー | 利用可 | 2013年予定 (Toicaと相互利用) |
Toicaのポスター等でご存知の方も多いと思いますが、現在Toicaはローソン・ヤマザキデイリーで利用可能です。セブンイレブンも3月18日から利用が可能になります。また、積極的な告知はされていないのですが、ミニストップはSuicaとの相互利用によりToicaが利用できます。一方、ファミリーマートは東海地方の店舗でSuica等の端末を設置しているところが少なく、そもそも交通系の電子マネーが使いにくい状況です。
対するmanacaはサークルK一点主義。他店で使えるようになるには、2013年のSuica・Toicaとの相互利用を待たなくてはなりません。この戦略が吉と出るか凶と出るか。
ファミリーマートについて、追加発表がありました。3月下旬より愛知・岐阜・三重・静岡のファミリーマート118店でTOICAが利用可能。東海4県のファミマが118店ということはありませんから、一部の店舗に限られるようです。また、愛知県内の一部店舗でmanacaの利用が可能とのことです。あわせて、ココストアも愛知県内の一部店舗もmanacaで利用可能と発表されています。