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帰ってきたyokeのブログ。JR東海運用情報の更新情報も兼ねています。
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2011年04月21日

当ブログではATS-PT使用開始情報についてお伝えしてきましたが、平成22年度分の工事が完了し、3月12日のダイヤ改正から1週間ほど経つと、運用区間ではすべての車両がATS-PTを使用するようになりました。すっかりPTも日常の風景になりましたね。

さて、前回からしばらく時間が経ってしまったATS-PT講座ですが、今回はATS-PT地上子について取り上げます。

ATS-PT形地上子

ATS-PT地上子
ATS-PT地上子

みなさんもよくご覧になると思いますが、右の写真がATS-PT地上子です。白い樹脂製のケースの中にトランスポンダが入っており、車両側の車上子に対し、電波を用いてデジタル電文を送信します。

さて、PT形の地上子は、他のATS-P地上子と比べてかなり大振りです。JR東日本や西日本のP形地上子はもっと小さく、枕木の幅に収まるほどの大きさなんですね。PT形地上子は他社のATS-Pと互換性がありますので、基本的な機能は同じなのですが、なぜこれほどケースが大きいのかはちょっと謎です。

P形地上子は双方向対応が基本。しかしPT形は…

ATS-ST形地上子
ATS-ST形地上子

ATS-P形地上子の特徴として、列車の運転方向を問わない「双方向対応」という特徴があり、2本のレールのちょうど真ん中に設置します。一方、旧来のS形(ST形含む)の地上子を右に示しますが、このようにレールの中心からオフセットして設置してあるんですね。

P形とS形地上子の違いを下の図にまとめてみました。旧来のS形は、車上子を進行方向左側に設置することになっており、対応する地上子も進行方向によって別々に配置してあります。

一方、P形は地上子も車上子も中央に配置されていますので、列車の運転方向を問いません。地上子は、進行方向にかかわらず、車両と通信ができます。これは、ATS-P形が符号処理装置(エンコーダ)によって、地上子の機能を状況に応じて変えられることが前提になっているためでしょう。連動装置と連携して、あるときは上り列車用、あるときは下り列車用にひとつの地上子の機能を変えられるわけですね。

ATS-S形は対応する方向が定まっている ATS-P形は方向を問わない

ただしATS-PT形は、無電源地上子を多用してコストを抑えた廉価版のATS-Pです。無電源地上子については後で詳しく書きますが、あまり複雑な機能の切替はできません。このため、上り列車用に発している電文を下り列車が拾ってしまうこともありえます。そこでPT形では、車上子・地上子それぞれ進行方向に応じてA線・B線の属性を与えてあります。電文情報の中にA線・B線を区別する情報を含んでおき、旧来のST形と同様に進行方向によって区別しているわけですね。

ATS-PT地上子の種類

ATS-PT形の地上子には以下の3種類の地上子があります。PT形で特徴的なのは、高価なエンコーダ式地上子を極力減らし、設置コストの安い無電源地上子を多用していることです。

ATS-PT形地上子の種類
地上子の種類 用途 JB エンコーダ
エンコーダ式地上子 進路の複雑な場内信号機など あり
無電源地上子 電文固定 速度制限など なし 不要
電文可変 閉塞信号機
進路の簡単な場内・出発信号機
あり 不要

表中のJBは右の写真にあるジョイントボックスです。電文を切替える地上子へ通信ケーブルを接続するために設置します。では、各地上子について簡単に解説しましょう。

エンコーダ式地上子
ATS-PTのジョイントボックス(JB)
ジョイントボックス(JB)
ATS-P形の基本となる地上子で、連動装置や信号機の現示情報をもとに、符号処理機(エンコーダ)が電文を作成しジョイントボックス(JB・写真)を介して、この地上子に送ります。エンコーダを用いることで複雑な条件にも対応でき、信号防護用と速度制限用に電文を切替えることも可能です。また、車両から地上に電文を送ることもでき、JR東日本・西日本のATS-Pはこの地上子が基本になっています。
一方で、エンコーダを設置したり、動作のための電源ケーブルを地上子まで設置する必要があるなど、設置コストが高く付きます。ATS-PTでは、構内や進路の複雑な信号機の地上子に用いられる程度で、あまり使われていません
無電源地上子(電文固定タイプ)
無電源地上子の仕組み
文字通り「電源の要らない地上子」です。この地上子の上をATS-P形車上装置を搭載車両が通過すると、車上子から無線で電力が送られて、その電力で地上子が動作します。TOICAやSuicaなどの電子マネーはカードに電池はなく、改札機から電波で電気を受けて機能しますが、無電源地上子も電子マネーとよく似ています。
この地上子は、おもに曲線などの速度制限の電文を送るのに使われます。先行列車の位置によって変化する信号機の現示とは異なり、曲線制限は常に一定の情報を送ればいいわけですから、何の細工も要りません。通信ケーブルやジョイントボックス(JB)も不要で、置いておくだけで動作します。
逆に言えば、近くにJBがない地上子は、このタイプだとわかるわけですね。
無電源地上子(電文可変タイプ)
ATS-Pは信頼性の高いシステムですが、信号の現示や分岐器の進路に合わせて、地上子から送る電文を変化させる機構が高価になるのが欠点でした。そこで無電源地上子に改良を加え、条件に合わせて電文を切替えられるようにしたのが、電文可変タイプの無電源地上子です。JR東日本が輸送量の比較的少ない路線向けにATS-PNとして開発したもので、ATS-PTはこの地上子を基本としています。
この地上子はROMに組み込まれた最大5種類の電文を、信号の現示条件によって切替えることができます。進路が複雑な駅の信号機では使えませんが、閉塞信号機にはすべて使用可能ですし、待避線が一本ある程度の駅でも対応可能です。信号の現示条件によって切替えることは、従来のS形地上子と同様の仕組みで行えますし、電源ケーブルもエンコーダも不要なので、設置コストが安くて済みます。
ただし、信号機までの通信ケーブルは必要なので、ジョイントボックス(JB)が設置されます。

長くなりましたが、地上子の基本事項についてお伝えしました。次回(第4回)は、信号機の現示によって地上子はどんな情報を送っているのか、地上子はどのように配置されているのかをお伝えする予定です。

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愛環にも
愛知環状鉄道2000系の一部の編成にもATS-PTが搭載されているのを数日前に発見しました。
313ユーザーさん / 2011/04/25(Mon) /
愛環・あおなみ線
JR東海に乗り入れる車両はATS-P搭載車であることが必須になりました。関西線に乗り入れる伊勢鉄道の車両もPTを搭載し、使用を開始しています。

また、愛環やあおなみ線の車両は、営業運転で東海にの乗り入れることはないものの、車両の整備をJR東海に委託しています。大がかりな検査は名古屋工場、車輪の転削は神領車両区といった具合で、この回送時のためPTを装備しているんですね。
yokeさん / 2011/04/29(Fri) /
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