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帰ってきたyokeのブログ。JR東海運用情報の更新情報も兼ねています。
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2011年01月06日

ATS-PTの本格使用開始近づく

JR東海は、在来線の新しい保安システムATS-PT形を平成23年度末までにすべての路線に整備する計画です。すでに、一部区間では貨物列車のみ使用を開始していますが、今月(平成23年1月)より旅客列車でも使用を開始する予定です。

では、ATS-PTとはどんなものなのでしょう。耳学問ながらいろいろ調べてみましたので、何回かに分けてちょっと紹介していきたいと思います。なお、私は専門家ではありませんので、勝手な解釈で間違っているところもあるかと思いますが、どうぞご容赦を<(__)>

ATS-PTで何が変わるのか

まず、みなさんが気になるのはここでしょう。たとえば、階段状に速度を落としていた東海道新幹線は、デジタルATCを導入して一気にブレーキをかける方式に替わり、駅へ進入する際の所要時間を短縮しました。ATS-PTも何か変わるのかとちょっと期待していたのですが、いろいろ調べた結果…。

「ほとんど何も変わりません^^;」

あくまでATS-PTは、現在の信号システムや速度制限に対するバックアップでしかないようです。パターン速度照査とはいうものの、運転の扱いは従来どおり。速度パターンには余裕があっても、信号が黄色なら45または55km/hにまで落とすルールに変わりありません。ギリギリまでブレーキを遅らせて列車間隔を詰めるデジタルATCのようなことは想定外です。

また、首都圏などのATS-Pは、車両からブレーキ性能の情報を受取り、性能の高い車両の場合は「警戒現示」(黄色が二つ・25km/h制限)を「注意現示」(黄色一つ・55km/h制限)に変えるという機能を持っていますが、どうもATS-PTにはなさそうです。

変わることと言ったら、運転席から聞こえてきた「じりりりりーん。きんこんきんこん」というATS-ST形の警告音が聞こえなくなることぐらいでしょうか。

ATS-PTの特徴

では、ATS-PTの特徴について、説明していきましょう。

ATS-PTは、連続パターン速度照査を行なうATS-Pに、JR東海独自の機能を加えたものです。地上子から速度制限箇所までの距離などの情報をデジタル信号で受取り、車上装置が列車の性能に応じた速度パターンを作成し、この速度パターンと実際の速度を比較し、越えた場合は警告を発したり、ブレーキをかけたりします。

以下に、ATS-PTの特徴を示します。文字ばっかりで恐縮です。専門用語がいっぱいあってよくわからないかもしれませんが、追々こまかな説明を加えていく予定でいます。

1.他社ATS-Pと互換性を持つ
車両と地上でデジタル信号をやりとりする「トランスポンダ」を用いた方式です。基本的なシステムはJR東日本や西日本のATS-Pと同じもので、PTを搭載した車両は他社のATS-Pを走行できますし、他社のATS-P搭載車もPT区間を走行できます。
JR東日本にはPS形と呼ばれる旧来のSN形(S形の改良型)に手を加えてパターン速度照査を行なう簡易型のものがあり、輸送量の小さい路線で使われています。これに対し、東海のPTはローカル線も含めすべての路線をトランスポンダによるATS-P互換方式で行ないます。
2.すべてをP形で保安する「全線P形」を採用
JR西日本には「拠点P形」と呼ばれる方式があります。出発信号・場内信号はP形ですが、閉塞信号などは旧来のSW形(S形の改良型)を併用してコストを抑えたもので、JR京都線・神戸線などで使われています。
これに対してPT形は、S形(ST形)を併用せず、すべての保安をATS-Pで行ないます。これを平成23年度までにすべての路線に配備するのですから、なかなか思い切った投資と言えます。
3.地上子はPN形をベースにしコストダウン
ATS-Pは列車や信号などの情報をデジタル処理して連動させます。旧来のS形とはまったく互換性がありませんから、その設備投資には大変なお金がかかります。ATS-Pに関して後発組のJR東海が「すべての路線に全線P形を採用」という投資をするわけですから、当然なにかの手段でコストダウンをしているはずです。それがPN形をベースにするということでした。
PN形はJR東日本が開発したATS-Pの廉価版。ATS-Pの基本システムを踏襲しながら、複雑な処理を行なう装置を省き、コストの安い無電源地上子を多様してコストを抑えたものです。無電源地上子はSuicaやTOICAのようなもので、それ自体に電源はありませんが、通過する車両から電波を受けてそれを電源とし、デジタル信号を発するタイプ。一部の機能は制限されますが、安全性の高いATS-Pを低コストで実現できるので、大手私鉄も採用するところが出てきています。
4.車上装置は非常ブレーキだけ
ATS-Pの車上装置は速度制限が近づくと、一般に次の順に動作します。
  1. パターン接近警報を発する(ランプや警告音)。
  2. 5秒以内に所定の速度に落とさないと、常用ブレーキで速度を落とす。
  3. それでも速度が落ちなければ、非常ブレーキで列車を停める。
これが基本です。しかし、PT形は2番目の常用ブレーキ動作を省略しています。警告を発しても速度が落ちない場合、非常ブレーキをかけて列車を停めてしまいます。常用ブレーキ動作の場合は、所定の速度まで落ちればブレーキは緩むので、通常どおり運転を継続できるのですが、PTの場合は即停止。事故とまでは言いませんが、ちょっとしたインシデントの扱いになるでしょう。

ざっと、こんな感じです。高く評価できるのは、廉価版ながらもATS-Pをすべての路線に整備するという点でしょう。これは他のJR各社がまだ実現していないことです。

一方、非常ブレーキしかないという点は評価が分かれそうです。通常どおりの運転をしていれば、非常ブレーキが動作することはないので、大きな問題はないように思います。しかし、訓練運転を見ていると、運転士にはプレッシャーを与えているようです。非常ブレーキを警戒するあまりに、必要以上に速度を落として所要時間が伸びる、てなことがなければいいんですけどね。このあたりはお手並み拝見といきましょう。


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