今日はmanacaが導入されてはじめての平日。まだまだ利用者の姿は多くありません。今後、利用者は増えていくと思いますが、そこで一つ問題となるのがTOICAも利用している人です。TOICAもmanacaもFelicaと呼ばれるソニーが開発した同じ方式を採用しています。まだ相互利用は開始されていませんが、manacaをJRの改札にタッチしたり、TOICAを地下鉄の改札にタッチしたりすれば、ちゃんと反応するんですね。もちろん、エラー音が鳴って恥ずかしい思いをするだけですが^^;
となると問題になってくるのが、一つのパスケースや財布にTOICAとmanacaの2枚をを入れている場合です。うっかりそのままタッチすると両方のカードが反応してしまい、枚数超過というエラーになって改札を通れません。
この状況は、複数の電子マネー乗車券がすでに導入されている首都圏や関西で、以前から問題になっていまして、そのための商品も発売されています。たとえば、こんな商品、
TOICAやmanacaは電波で通信しますので、その電波を遮るものを間に挟んでやろうという発想です。ICカードセパレータは、2枚の電子マネーの間に挟んでパスケースに入れておき、電波を遮断します。パスケースの裏表を使い分ければ、2枚のカードを使い分けられるというわけです。デュアル・パスは、このセパレータを最初から内蔵したパスケースです(注:以前紹介した商品が販売終了になっていましたので、貼り替えました)。
さて、この手の商品もよいのですが、セパレータは薄型とはうたっているものの、やはりmanacaやTOICAと同じ厚さがあります。ただでさえカードが増えたところに加えて、ますますパスケースや財布が分厚くなってしまうんですね。
そこで私は特別なアイテムを使わず、コツだけで通過しています。右図の方法ですが、要は2枚のカードを二つ折りの財布に分けて入れ、タッチするときに財布を開いて、片側のカードしか反応しないようにするわけです。これなら、わざわざ専用アイテムを買う必要もありませんv(。・ω・。)♪
コツはとにかく、使わないカードをなるべくタッチ部分に近づけないようにすること。使うカードの端をタッチ部分の真ん中に当てるぐらいでちょうどいいと思います。今日もこの方法で、地下鉄とJRを通過してきました。これまでもPiTaPaを財布に入れたままTOICAを使ってきましたので、とくにコツってわけでもないのかもしれません。二つ折りの財布やパスケースのほか、カードを離して入れられる長財布でも可能かも。興味のある方は一度お試しを。
いよいよ明日にせまったmanaca導入。今日はトランパスや地下鉄1区特別きっぷの発売が終了するとあって、地下鉄の各駅ではまとめ買いをする人も多く見られました。かくいう私は、手持ちの1区特別きっぷがちょうど残回数0となり、
「これは素直にmanacaを使えという天の声?」
と、結局買いだめはやめました^^;
記念manacaとかも発売されるようですが、その手のものには興味もないので、窓口が落ち着いた頃に「たまルン」の使える名鉄系のmanacaを買う予定です。たまルンにはそれほど期待していないんですが、ものは試しということで。でも、記名式のmanacaは名鉄だと券売機で買えないんですよね。ちとめんどい(--;
さて、地下鉄の各駅の自動改札機を見ていると、manaca対応の改札機はさほど多くないようです。基本的に2箇所か3箇所程度。その他の改札機は、旧来の磁気券のみになっていますね。ちょっと意外でした。もちろんmanaca専用機などはありません。
JR東海がTOICAを導入したときは、大半の改札機をTOICA対応にしたように記憶しています。そういえば、春日井駅北口はすべての改札機をTOICA対応にしたのですが、しばらくするとそのうち1基をTOICA専用機に切り替えました。なぜ、わざわざこんなことをするのかな?と不思議だったのですが、TOICAのエリアは徐々に拡大していきましたから、TOICA・磁気券兼用機をTOICAエリア拡大地域に転用したんでしょうね。磁気券を扱える改札機は、高級車が買えるほどのお値段がすると言われていますし。
これに対して、地下鉄は一気に全駅をmanaca対応にしなければなりません。対応エリアを徐々に拡大していったJR東海とは違い、未対応の駅に転用するというワザが使えません。そこで、当初はmanaca対応機の台数を絞り込み、manacaの普及度が高まったところで、'''manaca専用機を導入する'''のではないかと想像します。磁気券を扱わなくてもよいmanaca専用改札機はお値段もお手頃でしょうしね。
以前の記事で取り上げたとおり、中央線では駅の新しい案内放送と案内表示が出るようになりました。発車メロディこそありませんが、接近放送はレトロなチャイムから、いまどきのジングルに変わり、予告放送・遅れの自動放送も行われるようになりました。声の主もその筋では有名な方(笑)に変更されています。
さて、発車標も少々バージョンアップがあり、快速より先に発車する普通列車がどの駅まで先に到着するか表示されるようになりました。この先着案内ですが、ホームにある発車標だけでなく、改札口の発車標にも表示されるようになりました。ホームの発車標は2段表示ですが、改札口は3段表示。その結果、こんな感じになります。
えっと、「この列車」ってどっちかわかんないんですけど^^;
1月末現在のATS-PT使用開始状況、前回の中央線編に引き続き、今回は関西線と東海道線です。
関西線の平成22年度ATS-PT整備区間は、名古屋~河原田間。昨年6月下旬に八田~桑名間のPT設置工事が完了し、貨物列車がPTの使用を開始。その後、河原田までPT区間が延伸され、今年度の予定をほぼ完了したことから、1月から八田~河原田間で旅客列車のATS-PT使用を一部開始しています(下図)。
1月末現在のATS-P⇔S切り替え箇所は、河原田~河曲間と、名古屋駅構内の整備が完了していないことから八田~春田間(新川橋梁付近)にも設けられています。また、河原田駅構内で分岐する伊勢鉄道はATS-PTの設置を行なわないので、伊勢鉄道の下り線は関西線と分岐直後にP→Sの標識が、上り線は関西線と合流した直後にS→Pの標識が立っています。
現在、ATS-PT使用開始している旅客列車の車両は、神領区所属の313系電車(3000番台・1600番台・1300番台)と名古屋区のキハ75形気動車で、いずれも一部の編成のみです。
東海道線は平成22年度に米原~熱海間および大垣~美濃赤坂線の全線にATS-PTを整備する計画です。1月末現在では、名古屋~大垣間の工事が完了していないので、旅客列車のATS-PT使用は一部区間に限れています。
まず、名古屋~豊橋間を見てみましょう。下図の青い線がATS-PT設置工事が完了した箇所です。
この区間はおおむねATS-PT設置工事が完了しています。昨年8月ごろまでに豊橋~幸田付近の工事が完了し、貨物列車でPTの使用を開始。9月ごろには西岡崎付近まで使用範囲を拡大しています。さらに今年1月に入ると、尾頭橋付近まで延伸し、ほぼ設置工事が完了しました。
しかし、東海道線の旅客列車は名古屋駅を超えて大垣方面(PT工事未完成)へ直通するため、旅客列車のATS-PT本格使用はまだ開始されていません。ただし、武豊線へ直通する列車は名古屋で折返しとなるため、名古屋~大府間に限り、旅客列車のATS-PT使用を開始しています。車両はもちろんキハ75形です。
ところで、上の図を見てわかるとおり、笠寺の前後にS→Pの切り替え標識が立っています。笠寺駅には貨物列車の発着線がありますが、ここはPTの設置範囲外らしく旧来のST形(SF形)で防護しているようです。構内の発着線付近にはP→Sの標識も見られます。
こちらは、昨年9月ごろに醒ヶ井~関ヶ原までのATS-PTが整備され、1月現在で大垣まで延伸されています(下図)。残りの大垣から名古屋までの工事が完了すれば、旅客列車の使用も始まるものと思います。
私の知る限り、この区間でPTの使用を開始している旅客列車はまだありません。ただし、383系の一部編成がATS-PT使用を開始していることから、大阪発着の「しなの」が醒ヶ井~大垣間でPTの使用を開始している可能性があります。
ところで、岐阜貨物ターミナル付近で、黒いカバーのかかった標識を見かけました。もちろん何が書いてあるかはわかりませんが、先ほどの笠寺と同様、S→Pの切り替え標識ではないかと思われます。カバーがかかっているとはいえ、標識も設置されていますから、大垣~名古屋間のPT工事も近々完了するんでしょうね。
1月末現在の、関西線・東海道線でPT使用開始編成は以下のとおりです。神領区の313系と名古屋車両区のキハ75の一部編成です。なお、383系の使用開始編成については、中央線編をごらんください。
形式 | 313系(神領区) | キハ75形 (名古屋区) |
||
---|---|---|---|---|
番台区分 | 1500 1600 |
3000 | 1300 | |
編成両数 | 3両編成 | 2両編成 | 2両編成 | 2両編成 |
運用路線 | 中央線 関西線 |
中央線 関西線 |
中央線 関西線 |
関西線 東海道線 |
全編成数 | 7編成 | 16編成 | 4編成 | 20編成 |
ATS-PT 使用開始 確認編成数 |
1編成 | 2編成 | 1編成 | 4編成 |
備考 (編成番号) |
B104 | B304 B307 |
B404 | 1+101 3+103 207+307 208+308 |
旅客列車のATS-PT使用が、中央線などの一部列車で始まってから、約半月が経過しました。1月末現在の状況はどうなっているか、まとめてみました。
名古屋地区で旅客列車の使用が開始されているのは、中央線(山王信号場~中津川)、関西線(八田~河原田)、東海道線(尾頭橋~大府)となっています。現在、名古屋駅構内のATS-PT地上設備工事がまだ完了していないため、いくぶん中途半端な感じを受けますが、中央線・関西線については発表されている区間の工事がほぼ完了しており、旅客列車のPT使用が順次開始されています。東海道線は名古屋~大垣間の工事が完了していないので、武豊線直通列車のみPT使用となっています。
さて、今回は中央線についてまとめます。
中央線のATS-PTの状況図を以下に示します。青い線がATS-PT工事が完了している区間、黒い線が未完了の部分です。名古屋駅付近のわずかな区間を残し、今年度の目標である名古屋~中津川間の工事がほぼ完了。この間の旅客列車のPT使用が順次開始されています。
図中の「P→S」「S→P」は、右に示すATS切り替え標識です。中央線のATS-PTは、昨年4月下旬に山王信号場~新守山間で貨物列車の使用が始まり、山王~金山間および新守山~勝川間に切り替え標識が立ちました。その後、6月ごろに新守山付近の切り替え標識がなくなっており、中津川まで延長されたものと推測されます。
なお、現在も上り線には高蔵寺付近に「S→P」の切り替え標識が立っています。これは、愛知環状鉄道からの直通列車のためのものでしょう。高蔵寺駅の1番線は、愛環線の折り返し線となっていますが、中央線への直通列車も発着します。しかし、この1番線はATS-ST形のみが設置されており、P形に切り替わるのは中央線の本線に合流してからとなるためです。
ついでですから、SとPの切り替えについてお話ししておきましょう。
PT使用開始車は、運転席の電源を入れるとATS-Pの電源が入るとともに、ATS-STが立ち上がります。折り返し運転で運転席が変わる「エンド交換」を行った場合も同様です。下の図は313系の事例。P電源の表示灯が点灯するとともに、ATS-STの表示も点灯し、ATS-STによる防護を開始します。このとき、ATS-Pの表示灯は点灯しておらず、ATS-PT自体は機能していません。
事故 | 三相 | EB | ATS-ST | ATS動作 | |
P電源 | パターン 接近 |
ブレーキ 動作 |
ブレーキ 開放 |
ATS-P | 故障 |
すぐにATS-Pのモードに入らないのは、まだ地上子から電文を受けていないためです。つまり、情報がまったくないので、パターン速度照査のしようがないわけですね。そこで、とりあえずATS-STにしておくわけです。
さて、運転士が列車を走らせてATS-PT地上子(正確には信号防護用地上子)を通過すると、PT地上子から電文を受け取り、ATS-PTによる防護に切り替わります。折り返し列車のある駅では、ATS-Pによる防護をなるべく早く開始するため、各停止位置の直前にPT地上子を配置していることが多く、発車するとすぐにATS-Pに切り替わるのが一般的です。P形の工事が済んでいない箇所では、そのままATS-STで走行します。
ATS-PTに切り替わると、「ピンポン」とチャイムが鳴り、ATS-Pのランプが点灯。さらに、ST形の機能が停止し、ATS-STのランプは消灯します(下の図)。
事故 | 三相 | EB | ATS-ST | ATS動作 | |
P電源 | パターン 接近 |
ブレーキ 動作 |
ブレーキ 開放 |
ATS-P | 故障 |
ATS-P形は、このように通常のP形地上子を1つ通過するだけでATS-Pに切り替わるわけですね。ですから、S区間からP区間への切り替えも非常に簡単です。P電源も勝手に入りますからATS投入忘れなんてこともなく、安全な機構ですね。ただし、現在のようにATS-Pの工事をしたり、PTの本格使用が開始されていない状況では、かえってこの機能が仇になります。そこで、地上子にカバーを掛けたり、車上装置の機能停止や開放扱いを行っているわけです。
一方、P形からS形への切換は、「機能停止」の電文を送るP形地上子を通過することで、こちらも自動的に行われます。PT形が停止するとともに、ST形が機能を再開します。
中央線は神領区の車両が中心で、大半の車両がATS-PTの設置を完了しています。しかし、旅客列車のPT使用は徐々に拡大していくようで、まだ一部の編成に限られています。使用開始編成は運転席にATS-PT 使用開始のステッカーが貼られており、神領区所属車では313系の一部、383系の一部となっています。神領区でもっとも大所帯の211系5000番台は、現在のところ使用開始車が見あたりません。
番台区分 | 1000 1100 |
1500 1600 |
8500 | 3000 | 1300 |
---|---|---|---|---|---|
編成両数 | 4両編成 | 3両編成 | 3両編成 | 2両編成 | 2両編成 |
運用路線 | 中央線 | 中央線 関西線 |
中央線 | 中央線 関西線 |
中央線 関西線 |
全編成数 | 5編成 | 7編成 | 6編成 | 16編成 | 4編成 |
ATS-PT 使用開始 確認編成数 |
4編成 | 1編成 | 4編成 | 2編成 | 1編成 |
備考 (編成番号) |
B1 B2 B4 B5 |
B104 | B202 B204 B205 B206 |
B304 B307 |
B404 |
以上のように、神領区の313系は1000/1100番台および8000番台が半数以上で使用を開始していますが、その他はごく一部に限られています。運用が土日を含めて一巡し、問題がないことを確認しているのでしょうか。
なお、セントラルライナーに用いられる8500番台を除くと、中央線の313系は単独運用が少なく、大半は211系5000番台との併結運用です。さらに多くの場合313系が名古屋方に連結されるため、PTを使用している列車は必然的に上り列車が多く、下り列車は少ない状況となっています。
編成両数 | 6両編成 | 4両編成 | 2両編成 |
---|---|---|---|
全編成数 | 9編成 | 3編成 | 5編成 |
ATS-PT 使用開始 確認編成数 |
1編成 | 1編成 | 1編成 |
備考 (編成番号) |
A4 | A101 | A205 |
383系も編成種別ごとに1本ずつとなっています。