各地で様々な種類がある交通系ICカード(電子マネー)。これを相互に利用しようとする動きがありましたが、平成25年春に相互利用を開始することで、正式な合意がなされました(ニュースリリース、JR東海・名古屋市交通局・名鉄)。余談ですが、ニュースリリースにはmanaca発行枚数が3月末に107万枚に達したことも示されています。
さて、相互利用の対象となるのは、下の表の10種です。
北海道 | 東日本 関東 |
東海 | 西日本 関西 |
九州 | |
---|---|---|---|---|---|
JR系 | Kitaca | Suica | TOICA | ICOCA | SUGOCA |
公営交通 私鉄系 |
- | PASMO | manaca | PiTaPa | nimoca はやかけん |
主要なカードは、ほぼすべて相互利用可能といったところでしょうか。これで、カードを何枚も持たなくてよい、枚数超過エラーに悩まされることもない、と喜んでいる方も多いでしょう。
しかし、本当にそうでしょうか。実はまだ問題が残っています。それはカードごとの特典まで相互に利用できるのか?という点です。
私はTOICA・manaca・PiTaPaの3枚を持ち歩いています。通勤はJRと地下鉄で、JRはTOICA定期ですが、地下鉄はmanacaをチャージで乗ります。JR東海と名古屋市交通局は、平成25年春から連絡定期も1枚のIC乗車券に載せられますが、私の場合はJRだけの定期なので、まずTOICAを持つ必要があります。地下鉄はマイレージポイントがあるのでmanaca使用。PiTaPaは割引があるので手放せません。
PiTaPaはともかく、JRは定期・地下鉄はチャージでという人は多いでしょうから、各ICカードの特典まで共用できないと、相互利用が本格的に始まっても、簡単にカードを1枚にするのは難しいことになります。
下の表に、鉄道利用でポイントが貯まる交通系ICカードとその仕組みをまとめてみました。割引制度のPiTaPaは仕組みがまったく異なるので、表に入れていません。また、オートチャージ等のポイントは含めていません。
カード | 利用額×還元率 | ボーナス ポイント |
||
---|---|---|---|---|
全額に還元率を かけるタイプ |
超過分のみに 還元するタイプ |
足切り | ||
manaca (名古屋市交) |
利用額により 10~13% |
- | 2000円未満 | - |
manaca (名鉄) |
利用回数により 3%~6% |
利用額により 2%~8% |
10回以下 2500円未満 |
- |
manaca (豊橋鉄道) |
利用回数により 1%~5% |
- | 10回以下 | - |
SUGOCA (JR九州) |
1% (定率) |
- | なし | - |
nimoca (西鉄) |
- | 利用回数により 1%~3% |
なし | - |
はやかけん (福岡市交) |
2% (定率) |
- | なし | 4段階 最大500p |
数ある交通系ICカードでも、電車に乗ってポイントが貯まるのは、manacaと九州の3種のカードに限られます。manacaはまだ相互利用が行われていませんが、SUGOCA・nimoca・はやかけんは相互に利用が可能で、Suicaとも相互利用可能です。しかし、ポイント制度までは共用していないんですね。SUGOCAで西鉄に乗ってもポイントは貯まらず、はやかけんでJR九州に乗ってもポイントの対象外。もちろん、Suicaで電車に乗ってポイントが付くことはありません。
ついでですから、バスのポイント制度もまとめてみました。電車では何のポイントもないPASMOですが、バス利用になるとバス特という結構なポイントが得られます。還元率は5000円以上なら17%。額面上はmanacaの名古屋市交通局を凌ぐ還元率です。
このPASMOのバス特ですが、さきほどとは異なり、相互利用可能なSuicaでもポイントが貯まります。
こうやって考えると、ひょっとしてTOICAでもマイレージポイント?とも思うのですが、SUGOCAやnimocaのこともあるので、何とも言えませんね。どうなるんでしょ^^;
カード | 利用額×還元率 | ボーナス ポイント |
備考 | |
---|---|---|---|---|
全額に還元率を かけるタイプ |
足切り | |||
manaca (名古屋市交) |
利用額により 10~13% |
2000円未満 | - | 昼間休日は30% 地下鉄と合算 |
manaca (名鉄バス) |
2% (定率) |
なし | 3段階 最大300p |
- |
PASMO・Suica (バス特) |
利用額により 10%~17% |
1000円未満 | - | 1万円以上で リセット |
nimoca (西鉄バス) |
2% (定率) |
なし | 2000円ごと にあり |
- |
ATS-PT講座前回は、信号を防護する地上子について、ロング・直下・消去用の三種類があること、信号の現示条件に応じて、停止位置までの距離を車上子に送信していることを説明しました。まずは、簡単にまとめましたので、おさらいしておきましょう。
下図は、前回用いた図を動画にして1枚にまとめた事例です。着目していただきたいのは、第3閉塞信号機の現示状態と、停止位置の関係です。
ATS-PTは、停止現示を示している信号機の10m手前で列車を停めます。このため、この停止位置までの距離を、地上子は列車(車上装置)に送る必要があるわけですね。上の図の事例の場合、第3閉塞信号機にぶらさがっている地上子が送信するのは、下表の距離になります。
地上子の種類 | 地上子名 | 第3閉塞信号の現示 | ||
---|---|---|---|---|
停止(R) | 注意(Y) | 進行(G) | ||
ロング地上子 | TL-600 | * 588m | 1,388m | 2,120m |
消去用地上子 | TR-210 | 200m | 1,000m | 1,728m |
直下地上子 | TM-30/TS-30 | ** 20m | 820m | 1,548m |
このように、各地上子が送信する距離は、信号の3つの現示条件に合わせて、それぞれ3パターンしかないことがわかります。したがって、第3回で説明した無電源地上子(電文可変タイプ)に、この3つの距離をセットしておき、それを信号機の現示に合わせて切替えるというわけです。上の事例は3現示式ですが、無電源地上子は5種類までの電文を格納できますので、減速や警戒信号もある5現示式でも対応可能です。
ATS-Pと聞くとなにやら複雑なネットワークで処理しているイメージが強いですが、ことPTの地上子に関しては、上に説明した信号機と地上子だけのローカルなネットワーク、言ってみれば家庭内LANのような構成が大半です。ATS-PTはこの簡単な構造を採用して、地上子の設置コストを抑えています。
続いて各地上子の解説です。まずはロング地上子。信号機の情報を最初に送信する地上子で、信号機の手前600mに設置します。地上子にはTL-600と書いてあるのが確認できます。Tはトランスポンダ(Transponder)の頭文字。Lはロング(Long)。600は信号機からの距離(メートル)です。
この600mという数字に、見覚えがあるかもしれません。いわゆる「600m条項」で「列車は600m以内に停止しなければならない」という在来線の高速化を縛ってきた規則です。現在はこの規則自体は消滅していますが、高規格の高速新線でもない限り、事実上はいまも準用されています。というわけで、ATS-Pでは速度照査を行うにあたって600m手前で情報を送ることが前提になっており、ロング地上子もこれに従っています。ただし、障害物があって設置できないときは、多少前後にずらすことがあります。このため、TL-610と書かれたロング地上子もあります。
さて、停止を現示している閉塞信号機に、列車が近づいてきました(下図)。ロング地上子を列車が通過すると、次の信号が赤であること、停止位置まで588m(590mを4m単位に切り捨て)であること、そのほか停止位置までの下り勾配情報をデジタル電文にて送信。車上子がこれを受け取り、列車に搭載した車上装置は、これらの情報をもとに速度照査パターンを作成します。
あとは、ATS-PT講座第2回で説明したとおり、車上装置が速度と残りの距離を計算して、速度照査パターンと照合していきます。状況に応じて警告を発し、それでも速度が落ちずにパターンに当たると非常ブレーキをかけます。このようにATS-P形では、ロング地上子1個あれば十分な速度照査ができます。
ところで、上の図を見るとあることに気づきます。速度パターンが0まで行かず、あるところで速度一定のラインに変わっています。そう、ATS-Pには絶対停止がないんですね。これは地上子を使うATSの宿命みたいなものです。いくら停止信号で止まらなければならないとはいっても、その後信号が上位に変化して、発車してもよいとなったとき、その情報は地上子を通過して受け取らなくてはなりません。そのとき「絶対動いちゃダメ」なんてATSに縛られると、地上子を通過できず、ずっと動けないことになります。
レールから直接情報を受け取れるATCは停止状態でも電文を受け取ることができるので、絶対停止も可能ですが、地上子を用いるATS-Pは不可というわけです。このため、ATS-Pの減速するパターンは途中で終了し、10km/h一定の頭打ち速度照査パターンに切り変わります。
次に直下地上子です。ロング地上子とは逆で、信号にもっとも近いところに置きます。ATS-PTの場合、閉塞信号機や場内信号機は手前30mに置き、出発信号機は20m手前に設置するのが基本です。出発信号機が20mとなっているのは、駅の停車位置が出発信号機に近い場所の対処でしょう。閉塞・場内信号機は停止現示のとき、信号機の50m手前で停車するのが所定の運転取り扱いですが、出発信号機は駅の構造によってはそうも行かない場合もありますからね。たとえば、名古屋駅8番線は出発信号の9m手前に直下地上子を置いています。
直下地上子は、TS-30(または20)と書かれたものと、TM-30と書かれたものがあります。TSのSはロングの逆でshortの頭文字でしょうね。場内信号機や出発信号機、さらに場内相当の閉塞信号機など、無閉塞運転が禁止されている絶対信号機の直下地上子です。一方、TM-30は一般の閉塞信号機に対する直下地上子で、MはMuheisoku(無閉塞)の略でしょうか(笑)。
さて、直下地上子の役割としては、
この二つがおもなものです。このほか無閉塞運転時の速度照査機能もあるのですが、上記について説明を加えます。
ロング地上子によって発生した速度パターンで、大半の防護はOKなのですが、これに加えて停止信号を超えそうな列車に対し、直下地上子は強制的に非常ブレーキを作動させます。その仕組みを見てみましょう。
下の図を見てください。さきほどのロング地上子で距離情報を受けて、速度パターンを作成した列車が、速度を落としながら停止信号に近づいてきました。信号機は相変わらず停止のままです。規則では信号機の50m手前で停まることになっていますが、これを運転士が失念してどんどん信号機に近づいて来たとします(図・左側)。
ここで直下地上子を通過しました。直下地上子は停止現示のとき、図・右側に示すような、速度パターンがドッカンと落ちるパターンを車上装置に作らせます。このような突然に変化するパターンができると、警告音もなく非常ブレーキがかかるというわけです。これは、絶対停止のないATS-Pで強制非常ブレーキをかけるための方策。もっとも、ごく遅い速度で進入すれば通過もできるのですが^^;
一つめは異常時の動作でしたが、こちらは正常な運転を行ったときの動作です。
停止信号に従い、信号機の手前50mで列車が停止しました。規則どおりの運転です。さて、ここで信号が停止から進行や注意に変わりました。信号は変わったものの、車上装置が作成した停止パターンはまだ生きていますので、パターンを更新しないと列車は信号を超えて進むことはできません。そこで列車は、新しい停止位置情報を直下地上子から受け取って、車上のパターンを更新するわけです
その様子を下図に示します。次回にお話しする消去用地上子と同様の役割で、日常的にはもっとも多い使われ方です。
上の図でいくと、直下地上子(信号手前30m)を通過すればパターンは更新され、すぐに加速ができる理屈です。しかし、ATS-PTの車上装置はコストを抑えたためか、直下地上子を通過したことを運転士が知る術がないのです。JR貨物のATS-PFやJR東日本のATS-Psは、運転台に速度パターンが表示されるモニタが付いているのですが、ATS-PTの車上装置にはありません。地上子を通過しても音もしません。このため、運転士はパターンが更新されているかわからないので、信号機を通過するまでの50mを10km/h以下で走行しなければならないんですね。
ATS-PT導入以来、駅の手前で一度停止信号に引っかかると、信号が変わった後も恐ろしくゆっくり走っているのは、これが原因なんです。
ATS-PT講座・次回は消去用地上子について解説します。
JR東海・神領車両区所属の213系5000番台H9・H10編成が、改造の第三陣として近畿車輛へ向け、先ほど(5月18日深夜)春日井駅から甲種輸送されていきました。牽引するカマはEF65 1095です。
さて、213系5000番台はJR東海に全14編成28両が所属。当初は関西線の主力として活躍しましたが、1999年に313系が新製されてからは、主としてラッシュ時の運用となりました。朝ラッシュ時はフル運用ですが、昼間はもてあまし気味となったわけですね。
この状況が長い間続いていましたが、昨年になり313系の増備車として1300番台(2両編成)が投入されると、213系の運用4本が置き換えられました。こうして運用本数に余裕の生じた213系は、今年に入って近畿車輛で順次改造を受けています。すでに第一陣のH3・H4編成が改造を終え、5月初旬より運用に復帰。これと入れ替わる形で、今回H9・H10編成が近畿車輛へ向かいました。
これまでの経緯および今後の予測を以下に示しておきます。
編成名 | 入場日 | 出場日 | 備考 |
---|---|---|---|
H3・H4編成 | 1月7日 | 4月21日 | |
H7・H8編成 | 3月10日 | 6月23日? | 改造中 |
H9・H10編成 | 5月19日 | 8月末頃? | 本日出発 |
? | 7月中頃? | 10月末頃? | |
: | : | : |
なお、改造内容ですが、トイレの新設、半自動ドア機能の追加、空転防止のセラジェットの取り付けが主な項目です。
その一方で、外観には大きな変更はなく、トイレ付近以外は車内の様子も変わりありません。また、ワンマン改造・パンタグラフの増設は行われておらず、電装品(制御装置・発電ブレーキ)等の変更もないようです。番台区分も変更されておらず、改造前と車番・編成番号ともに変更ありません。詳しくは関連記事をごらんください。
今回は、JR東海運用情報に関する話題です。おかげさまで、2011年3月改正後の運用情報もおおむね埋まってきました。情報をお寄せくださったみなさん、ありがとうございました。
ただし、浜松地区は震災の影響で一時期運用変更が出ていたため、現在の運用と異なる場合もあります。情報がありましたら、引き続き運用情報掲示板にお寄せください。
寄せられた情報をもとに、各路線で運用がどのように変わったかを見てみます。
路線 | 変更内容 |
---|---|
東海道線 | ・キハ25、武豊線直通列車に投入 ・117系の運用大きく変更 ・313系・311系の代走扱いが多発 |
中央線 | ・ほとんど変更なし ・むしろ、遅延がひどい(苦笑) |
関西線 | ・快速みえ キハ75の4両編成に統一 ・その他は大きな変更なし |
関西線は、快速みえ(定期列車)が2両からすべて4両に変更になった以外、大きな変更はありません。213系・313系1300番台も改正前と同じ運用です。中央線も変更はほとんど見あたらず、むしろどうしてこんなに毎日遅れるのか?と毎日のように遅延が発生し、そっちの方が問題です(苦笑)。
一方、東海道線はややこしいことになっています。117系の動きについては以前お伝えしましたが、313系・311系の代走運用が非常に多く、運用サイト泣かせの状況です。
これまで寄せられた情報から、東海道線の313系・311系の代走状況をまとめてみました
本運用 | 代走運用? | 備考 | |
---|---|---|---|
313系5000番台 (6両編成) |
313-5000(6) ■■■■■■ |
313-0(2+4) ■■-■■■■ |
|
313系300番台+0番台 (6両編成) |
313-0(2+4) ■■-■■■■ |
313-300(2+2+2) ■■-■■-■■ |
|
313系0番台 (4両編成) |
313-0(4) ■■■■ |
313-300(2+2) ■■-■■ |
|
313系1100番台 (4両編成) |
313-1100(4) ■■■■ |
313-0(4) ■■■■ |
コメントを受け 一部記述を 見直しました。 |
311系 (4両編成) |
311(4) ■■■■ |
313-1100(4) ■■■■ |
とまあこんな状況で、名古屋付近の東海道線を走る313系・311系すべてが代走に絡んでいる形です。6両は2+4両で、4両は2+2両でそれぞれ代走。311系は313系1100番台と共通運用かと思えば、313系1100番台と313系0番台が共通となっているグループもあるようです。
とにかく複雑な運用が組まれており、最初は一時的なものかとも思ったのですが、改正後2ヶ月経っても代走が解消する気配はありません。
なぜ、最初から足りない本数、代走が必要な本数で運用を組んであるのか。それを考えたときに、なんとなくひらめきました。
そうです。今年度の新車投入を最初から見込んだ運用を組んであるのでは?ってことです。
たとえば、6両固定編成の313系5000番台は、代走が組まれている運用の数だけ、今年度新車が入ると予測できるのではないでしょうか。1100番台のどっちつかずなグループ分けも1100番台の増備を暗示しているのかもしれません。
こうなると、117系の動きも加速しそうな気配です。
とあるコラムによれば、させていただく症候群なるものが、新入社員世代に広がっているとか。「~させていただく」は、誰かの了承が必要な場合などに限られるのですが、「お伺いさせていただく」「出張させていただく」のように本来使うべきではない部分に使う人が多いとのこと。
そのコラムでは、新入社員教育がおろそかになっているから、との分析をしていますが、はたしてそうでしょうか。新人でなくても敬語を操れない人はたくさんいるんですよね(苦笑)。
尊敬語 | 謙譲語 | |
---|---|---|
する | なさる | いたす |
言う | おっしゃる | 申す 申し上げる |
食べる | 召し上がる | いただく |
行く・来る | いらっしゃる お越しになる |
参る |
私個人は、シンプルに使える基本敬語を知らない人があまりに多い、これが原因だと思うんですね。敬語は丁寧語・尊敬語(相手を敬う)・謙譲語(自分を下げる)からなりますが、とりわけ尊敬語・謙譲語の基本単語の認知度が低いようです。このため、変な回りくどい敬語が横行するのではないでしょうか。
右の表に知っておくとよい基本敬語を並べてみました。とくに覚えておきたいのは、「する」の尊敬語「なさる」と謙譲語「いたす」です。
現代の日本語は、漢字の熟語に「する」を付けて動詞(動作)を表す言葉がとても多くなっています。このとき、「いたす」を知らないと「させていただく症候群」に陥り、「なさる」を知らないと、「やってらっしゃる」だの「~やられてる」だの、なんだかちょっとエッチで物騒な響きの敬語(笑)になりかねません。
「~させていただきます」なんて言わなくても、「~いたします」は非常にシンプルですし、「なさいますか?」も耳に心地よく聞こえます。
言葉は時代とともに変化する、とはよく言いますが、シンプルでよく使うものに統一されるのが通例です。「させていただきます」とか「やってらっしゃる」とか、舌を噛みそうな言葉に変わっていくことはないでしょう。
間違った日本語の使い方で、よくやり玉に挙がるのがコンビニとファミレスです。「よろしかったですか?」とか「1000円『から』お預かりします」とか。私はこの二つは気にならない一方で、別の言い回しが引っかかります。次の店員のセリフを見てみましょう。
よくあるシチュエーションです。これは問題ありません。しかし、次のはどうでしょう?
預かるというのは、お釣りのある場合に、いったん多めに「預かって」、その後お釣りを「返す」のが前提です。つまり「ちょうど預かる」なんてのは、銀行に預金するならともかく、支払いではありえないんですね。ですから「ちょうどいただきます。」が正解。
この間違いは非常に多く、8割方はちょうどあずかってます(笑)。では、なぜこんなに間違いが多いのでしょうか。それが先ほど書いたところの言葉はシンプルでよく使うものに統一される、この傾向に沿ったものと考えています。
コンビニのレジでは、ぴったり払うケースより、お釣りを払うケースが比率として多くなります。この結果「いらっしゃいませ」「~になります」「おあずかりします」「お返しです」「ありがとうございました」が呪文のように繰り返され、条件反射から「おあずかりします」しか出てこなくなるのでしょう。