先日の記事で未確認情報として触れましたが、やはり関西線の213系が10月1日をもって3扉車にすべて置き換えられるようです。たまたま伊勢方面へ行く用事があり、亀山に寄り道したところ、ホームの時刻表にお知らせが掲示してありました。
平成23年10月1日(土)から関西本線(名古屋⇔亀山間)の電車は、全て3箇所扉の車両による運転となります。
これに伴い、一部の列車は乗降位置が変更となりますので、ご注意ください。
右がその写真です。変更前の車両として213系の図が出ています。変更後は211系5000番台になっていますが、これはイメージが伝わればってことで適当でしょうね。ケータイで慌てて撮ったので、画質はご勘弁を^^;
これまでの情報から、213系は飯田線に転属することが確定的でしたが、2週間後にすべて置き換えとはちょっと意外でした。まだ改造中・未改造の編成もありますしね。
さて、こうなってくると、気になるのが213系の後釜となる車両です。まずは、現状の運用を見てみましょう。
213系5000番台は神領車両区に14編成28両が所属。1編成を予備として13運用が基本です。ただし、昨年度に313系1300番台を4編成(B401~B404)投入して、213系4編成を捻出。飯田線での運用を行うにあたり、近畿車輛でトイレを取り付けるなどの改造を順次実施中です。現在までに6編成が改造を終え、4編成が改造中です。
したがって、運用9本・予備1本・改造4本が14編成(28両)の内訳です。
では、これまでの繰り返しになりますが、置き換え車両の予測を再度まとめておきます。213系5000番台は2両編成ではありますが、ラッシュ時の運用が中心で、2+2の4両固定で終日運用するものが少なくありません。このため、2両編成ばかりでなく、4両編成も置き換えに用いられるものと思います。下表をごらんください。
日付 | 種別 | 形式 | 配置数 | 備考 |
---|---|---|---|---|
昨年度 | 新製 |
313系1300番台(2連) B401~B404編成・神領に |
+4編成 (+8両) |
213系4編成 置き換え済み |
7月13日 | 新製 |
313系1100番台(4連) B6編成・神領に配置 |
+1編成 (+4両) |
暫定運用中 |
9月09日 ~15日 |
転属 |
大垣区211系0番台(4連) 2編成が神領へ |
+2編成 (+8両) |
編成名 C→K50 |
今月中? | 新製 |
313系1300番台(2連) B405~B408編成?・神領に |
+4編成 (+8両) |
予想 | 合計 |
11編成 (28両) |
まずは、313系1300番台B401~B404編成。これはすでに4本を置き換えていると言ってもいいでしょう。次に今年増備された313系1100番台B6編成(4連)。この2つは朝夕は213系の置き換えとして関西線のラッシュ輸送にあたるほか、データイムは中央線での運用も予想されます。また、B6編成については、神領区313系1000/1100番台の運用が1本増えて、213系の運用を置き換えると言った方がいいでしょうか。
そして、先日大垣区から神領区に転属となった211系0番台(4連)。C1・C2改め、K51・K52編成となりましたが、ポジション的にも現在の213系と同様に関西線のラッシュに用いられるでしょう。
これで計20両。まだ8両が不足ですが、今月中に313系1300番台(B405~B408)を新製して充当と考えるのが、時期的にも編成番号的にも順当なところでしょうね。
9月29日、211系0番台により213系の置き換えが始まったようです。結局、この間に313系の新車は増備されないまま、置き換えとなりました。運用を組み替えて、関西線運用分の6編成のみを置き換えるようです。
昨年度(2010年度)から始まった313系電車の4次車投入。2010年度は東海道線117系(大垣区)の置き換えが主たるものでしたが、2011年度は飯田線119系(大垣区)の置き換えがメインに据えられているようです。
117系の置き換えは単純に大垣区に新車を投入するというものでしたが、119系の置き換えには神領区の213系や313系3000番台を捻出することから、新製だけはなく転属も行なわれるなど、複雑な動きを見せています。119系の置き換えに関する流れを見てみますと、
とまあ、一部憶測も含まれますが、だいたいこんな感じで進められているようです。まだ、119系の置き換えは始まっていませんが、その前段階の新製・改造・転属は順次実施され、ここ何日かの間にいくつか動きがありました。それを見てみましょう。
8月にワンマン仕様の313系1300番台が神領区に4編成新製投入され、中央線木曽地区で運用を開始。これまで運用にあたっていた313系3000番台のうち4編成が大垣区に転属してR100編成となりました。転属後しばらく動きがなかったのですが、昨日(9月15日)より211系0番台のスジで運用を開始したようです。
211系0番台の運用は2本あるのですが、R100編成が投入されたのは現在のところ1本だけ。211系0番台は4両編成、313系3000番台は2両編成ですので、R101+R102の2編成で運用されています。なお、もう一本は大垣区既存の313系300・5300番台で運用中です。
今朝、名古屋駅で転属後の3000番台の様子を観察してきたのですが、とくに大きな変化は見られませんでした。編成番号や所属標記は書き換えられていますし、新快速運用にも就くことから方向幕も入れ換えられたと思いますが、ワンマン運賃表のカバーは関西線・中央線のままでした(笑)。運転席の上部も見てみましたが、定時間踏切制御用の列車番号設定器も増設なしのようでした。
また、いまのところ運転士時刻表も、2011.3.12改正のままで、車種も「211/313」となっていました。
一方、東海道線の運用を退いた大垣区211系0番台ですが、先日のC2編成の転属に引き続き、C1編成も神領区に転属になった模様です。転属編成を以下にまとめておきます。
旧編成番号 (大垣区) |
クモハ211 | モハ210 | サハ211 | クハ210 | 新編成番号 (神領区) |
---|---|---|---|---|---|
C1 | 2 | 14 | 14 | 8 | K51 |
C2 | 1 | 13 | 13 | 7 | K52 |
神領の211系編成名は、5000番台の4連がK1~K20編成、5000番台3連がK101~K117でしたが、今回転属となった0番台の4連は編成番号はK51・K52となりました。大垣区や静岡区は同じ形式の電車でも、番台区分や編成両数・用途によって編成記号を変えることが多いのですが、神領は記号は形式ごとにまとめ、百位を変えて区別するようです。今後、213系H編成が転属すると、神領区の編成はA・K・Bだけになりますね(←どうでもいい^^;)。
さて、119系の置き換えにともなう車両の動きをまとめてみました。
日付 | 種別 | 内容 | 神領区 | 大垣区 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
昨年度 | 新製 |
313系1300番台(2連) B401~B404編成・神領に |
+4編成 (+8両) |
- |
213系改造編成 捻出 |
7月13日 | 新製 |
313系1100番台(4連) B6編成・神領に配置 |
+1編成 (+4両) |
- | |
8月03日 | 新製 |
313系1300番台(2連) B501~B504編成・神領に |
+4編成 (+8両) |
- | |
8月11日 |
運用 開始 |
神領区B501~B504編成 中央線木曽地区 |
- | - |
313-3000 4本置換え |
8月12日 |
運用 開始 |
神領区B6編成 中央線(名古屋口) |
- | - | |
8月13日 | 転属 |
神領区313系3000番台 4編成が大垣へ |
▲4編成 (▲8両) |
+4編成 (+8両) |
編成名 B300→R100 |
9月09日 ~15日 |
転属 |
大垣区211系0番台 2編成が神領へ |
+2編成 (+8両) |
▲2編成 (▲8両) |
編成名 C→K50 |
9月15日 |
運用 開始 |
大垣区313系3000番台 東海道線 |
- | - |
211系0番台の 運用スジに |
ざっと、こんな感じです。
なにやら複雑な動きですが、119系の置き換えにあたり213系捻出組と313系3000番台捻出組に分けるとわかりやすいかもしれません。現在の予測は以下のとおり。
なお、313系1300番台はまだまだ増備されるものと見られています。
また、これからの動きについて、発表があったもの、ほぼ決定していると思われるものについて、まとめてみました。
日付 | 種別 | 内容 | 神領区 | 大垣区 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
9月20日 | 予定 | 213系5000番台 H1・H2編成改造完了 |
- | - | 計8編成 改造完了 |
10月下旬 | 予定 | 213系5000番台・313系3000番台 飯田線・中央東線で訓練運転 |
- | - | |
11月下旬 | 予定 | 213系5000番台・313系3000番台 飯田線・中央東線で運用開始 |
? | ? | |
11月 ~12月 |
予定 | 213系5000番台 H5・H6編成改造完了 |
- | - | 計10編成 改造完了 |
10月下旬には、飯田線で213系・313系3000番台の訓練運転が始まります。したがって、それまでに置き換え車両が新製投入されることになるでしょう。また、未確認情報ですが、関西線は10月1日より3扉車に統一されるとの話題もあります。となれば、今月をもって2扉の213系が関西線から全面撤退ってことですね。えらい急な話で^^;
なお、現在の213系の運用図は以下のとおりです。
関西線213系置き換えについて確認しました。
ここのところ、車両に大きな動きがあったため、少し間が開いてしまったATS-PT講座ですが、前回(第9回)は、非常ブレーキしかないATS-PT車上装置の問題点について解説しました。
通常の運転ではさほど影響ないものの、信号が上位変化した場合に、以下の点が円滑な運転を妨げることになります。
第10回となる今回もこの2点に着目しつつ、もっとも問題となることが多い「停止信号で一旦停止場合の取扱い」についての具体例と、最近実施された改良方法について説明します。
下の図は、場内信号機に停止現示(赤)が出ているときの、車上パターンと実際の運転操作を示したものです。赤の線はATS-Pによってブレーキが作動するパターン。青の線はブレーキ動作の5秒前に鳴る接近警報のパターンです。
赤い線にあたった場合、JR東・西のATS-Pは常用ブレーキがかかるだけで、所定の速度まで下がればブレーキは自動的に緩みます。しかし、ATS-PT車上装置はいきなり非常ブレーキをかけてしまいますので、通常の運転時にはこのパターンに当たることは避けなくてはなりません。このため、ATS-PT搭載車では、青い線(パターン接近)に当たった時点で運転士が手動でブレーキをかけて速度を落とします。
さて、停止信号にかかわる運転取り扱いでは、停止信号の50m手前で停止することになっています。そこで、黒い破線のように速度を落とし、信号機の50m手前で列車を停止させます。ここまではとくに問題ありません。
次に下の図を見てください。所定の位置で停止したのち、前方の進路が開通し、信号が停止から注意現示に変わりました。通常の運転規則であれば、45km/hないし55km/hの制限速度をもって、信号を超えることができます。
しかし、ATS-Pは車上装置にパターンが残っています。パターンは地上子を通過するまで更新されないので、むやみに速度を上げることはできません。
場内信号機の50m手前を発車した列車は、20m程度走ってTS-30地上子を通過するまで、停止パターンが残っています。通過前に速度を10km/h以上に上げてしまうと、パターン接近の青い線にあたってしまい警報が鳴ります。そこでパターンが更新されるまでは、運転士は10km/h以下に落とす、あるいは最初から10km/h未満に速度を抑えて運転します。
ところが、PTではもう一つの問題が生じます。ATS-PT車上装置はパターンの消去(更新)を運転士に通知しません。TS-30を超えた時点でパターンは更新されるのですが、運転士はそれを知ることができないので、ないはずのパターンを恐れて信号機建植位置まで10km/h未満で走行することになります。10km/h未満という速度は、体感的にハエでもとまりそうなぐらい(笑)。この50mを通過するのに、以前なら10~15秒程度のところが、30秒以上かかってしまうことも。さらに、信号機を超えてからやっと速度を上げるので、ロスタイムは相当なものになります。
そもそも駅の手前で停止を余儀なくされること自体、ダイヤに遅れが生じているわけですが、PTの取り扱いによって、ますます遅れが拡大することになるわけですね。
さて、このような問題を解消するにはどうすればよいでしょうか、思いつくところを並べると、
1番目はJR東西のATS-Pと同様の改良を施すわけですが、PTの根幹に関わる部分なので、そう簡単には実施されないでしょう。2番目は、ATS-PFやATS-Ps車上装置で実績がありますが、これも新たなコストが発生しそうです。3番目は対症療法的なもので、頻繁に列車を停止させる信号機にのみ、地上子を増設するものです。1番・2番ほどではありませんが、新たなコストを生じます。
さて、どうするのかと思っていたのですが、8月ごろに動きがありました。おそらくもっともコストのかからない方法です。それは、
というものです。下の図をご覧ください。
つまり、所定では50m手前であった停止位置を、消去用地上子TR-85の直前に変更するというわけです。
具体的には、TR-85地上子の直前に[ ○ ]と書かれた停止目標(枕木上)を設置します。この位置で停止すれば、信号が上位に変化して発車すると、すぐにTR-85地上子を通過し、パターンが更新されるんですね。旧来のTS-30地上子を通過するときに比べて、パターンにも速度的な余裕がありますので、運転士は何も考えずフルノッチを入れて速度を上げられるというわけです。
現在のところ、場内信号機に対して停止目標が設置された駅は、
この3箇所を確認しています。いずれの駅も、駅構内の進路がなかなか開かず、場内信号機で列車が停止することが多い駅です。PT導入以来、遅延が多発していましたが、この措置によってスムーズな運転が実施されるようになりました。
ただし、この方法はどんな駅にでも適用できるものではありません。以前説明したとおり、TR-85は必ず設置されているわけではないからです。また、出発信号機と停止位置が近い場合の問題が生じる箇所については、抜本的な対策とはなりえないのも事実です。とはいえ、簡単な方法で問題をクリアしてくれたのはありがたいことです^^
2012年に入り、消去用地上子を通過したことを示す標識が、新たに追加されている箇所が出てきました。
これも円滑な運転のために実施された改良と思われます。効果に期待したいところです。
すでに日付が2回変わってしまいましたが、213系5000番台の改造第5陣としてH5・H6編成が9月8日深夜に春日井駅を出発し、近畿車輛に9日到着した模様です。
211系0番台の神領転属という大きな動きがあり、うっかり書くのを忘れてしまうところでした^^; 今回は改造履歴の表だけに留めておきます。改造の詳細、今後の動きなどは末尾の関連記事をごらんください。次回出場分は、改造にかかる期間が1ヶ月ほど短縮されるようです。
編成名 | 入場日 | 出場日 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
1 | H3・H4編成 | 1月7日 | 4月21日 | |
2 | H7・H8編成 | 3月10日 | 6月23日 | |
3 | H9・H10編成 | 5月19日 | 8月30日 | |
4 | H1・H2編成 | 7月2日 | 9月20日(予) | 改造中 |
5 | H5・H6編成 | 9月9日 | 9月8日出発 | |
6 | ? | |||
7 | ? |
昨日の記事の続報です。先ほど神領区を覗いたところ、昨日と同じ場所(東留)に211系0番台の姿があったのですが、昼間の間に手が加えられたようです。
まず、前面の編成表記がC2から K52 に変えられていました。薄暗かったのでK32に見えたのですが、K52が正解のようです^^;
また、側面の「海カキ」表記も何やら書き直したような跡が見えました。おそらく神領を示す「シン」に書き変えられたものと思いますが、なにぶん薄暗かったものでちゃんと確認できていません。
…というわけで、どうやら転属は決定的のようです。ただ、C1編成の姿はまだありません。一説によるとまだ東海道線で運用中とも言われています。
さて、211系0番台はJR東海最古の車両になろうとしています。内装も相当くたびれていますが、お手入れや清掃には定評のある神領車両区です。きれいに使ってくれることでしょう。ちなみに留置中の方向幕は、関西線での運用を暗示するかのように 区間快速 が出ていました。お茶目な職員がいるようですね(笑)。
追記です。9月15日にC1編成も神領に送られた模様です。