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帰ってきたyokeのブログ。JR東海運用情報の更新情報も兼ねています。
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2012年10月30日

鉄道設計技士に挑戦、前回は1問目の解答編をお届けしましたが、今回は2問目、運転曲線の問題です。まずは、問題文のおさらいから。

次の文章はA駅とB駅の運転曲線について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な数値を回答欄に記入しなさい。なお、制動開始時の空走時間は考えないものとする。また、解答の数値に小数第2位以下がある場合は、小数第2位を四捨五入して小数第1位で解答しなさい。

列車は、A駅から一定加速度2km/h/sで加速し、1kmの地点で惰行運転に入る。惰行運転開始時の列車の速度は( 1 )km/hである。1kmの地点で2kmの地点まで惰行中、列車は一定速度を保って走行しており、惰行中の時間経過は( 2 )秒である。2kmの地点で、B駅に入場するため制動をかける。停止までの減速度は3.2km/h/sで一定であり、制動開始から停止までの時間は( 3 )秒である。よって、A駅出発からB駅到着までにかかった時間は( 4 )秒、A駅とB駅間の距離は( 5 )mである。

時間・加速度・速度・距離の関係式

この手の問題を解くときは、時間t・加速度a・速度v・距離Lの基本的な関係式を知っておくと便利です。だいたい使う式は3つです。単位はメートル(m)と秒(s)を基本にします。

  1. 加速度と速度と時間の関係式
    • v = a・t + v0 ………(1)
    • v:速度(m/s) a:加速度(m/s2) t:時間(s) v0:初速度(m/s)
    • 初速度v0で加速度aでt秒間走行したときの速度vを求める式。
    • この式に限り、速度はkm/h・加速度はkm/h/sでも可。
  2. 距離と加速度と時間の関係式
    • L = 1/2・a・t2 + v0・t ………(2)
    • L:距離(m) a:加速度(m/s2) t:時間(s) v0:初速度(m/s)
    • 初速度v0で加速度aでt秒間走行したときの距離Lを求める式。
    • 式(1)を時間tで積分すると得られる。
  3. 距離と速度と加速度の関係式
    • v2 - v02 = 2・a・L ………(3)
    • v:速度(m/s) v0:初速度(m/s) a:加速度(m/s2) L:距離(m)
    • 初速度v0・速度v0に加速度aで変化するとき、その間に走行する距離Lとの関係式。

では、順に見ていきましょう。

起動から力行、惰行まで

列車は、A駅から一定加速度2km/h/sで加速し、1kmの地点で惰行運転に入る。惰行運転開始時の列車の速度は( 1 )km/hである。

わかっているのは加速度a=2km/h/sと距離L=1km。さらに駅を発車しているわけですから、初速度v0=0であることもわかっています。こんな場合は、式(3)が便利です。

  • v2 - v02 = 2・a・L …(3)

条件の数値の単位をメートル(m)と秒(s)に直します。km/hをm/sに直すには3.6で割ります。

  • v0 = 0 m/s
  • a = 2 km/h/s = 2000m / 3600s / s = 2/3.6 m/s2
  • L = 1 km = 1000m

この値を式(3)に代入して、Vを求めます。

  • v2 - 02 = 2×2/3.6×1000
  • v = √(2×2/3.6×1000)
  • v = 33.33 m/s = 33.33×3.6 km/h
    = 120 km/h

( 1 )の正答は120(km/h)となりましたv(。・ω・。)ィェィ♪
しかし、1km走って120km/hとはすごい加速性能です^^;

惰行

1kmの地点で2kmの地点まで惰行中、列車は一定速度を保って走行しており、惰行中の時間経過は( 2 )秒である。

列車が加速をやめ、惰性で走ることを惰行と言います。鉄道は走行抵抗が小さいので、おおむね等速度運動となります。このときの、速度と時間・距離の関係式は、

  • L = v・t

です。式(2)の加速度aを0にするとこの式になります。速度v(m/s)でt(s)走行すると、走行距離はL(m)。速さ×時間=距離、小学生レベルですけどね^^; これも単位を直した上で条件を入れてみましょう。

  • v = 120 km/h = 120/3.6 m/s
  • L = 2 km - 1 km = 1000m

さきほどの式に代入し、式を変形してtを求めます。

  • 1000 = 120/3.6・t
  • t = 1000/(120/3.6) = 30 s

( 2 )の正答は30(秒)となりました。

制動から停止まで

2kmの地点で、B駅に入場するため制動をかける。停止までの減速度は3.2km/h/sで一定であり、制動開始から停止までの時間は( 3 )秒である。

一定加速度(減速度)で制動をかけるとき、停止までにかかる時間を求める問題です。この場合は、式(1)を使います。

  • v = a・t + v0 ………(1)

初速度v0=120km/h、減速度a=-3.2km/h/s、vを停止時の速度0を代入して、t(s)を求めます。上にも書きましたがこの式に限り、単位はkm/hが混在していてもだいじょうぶです。

  • 0 = -3.2t + 120
  • 3.2t = 120
  • t = 120/3.2 = 37.5 s

( 3 )の正答は37.5(秒)となりました。

A駅からB駅までのトータル

よって、A駅出発からB駅到着までにかかった時間は( 4 )秒、A駅とB駅間の距離は( 5 )mである。

A駅からB駅まで
走行モード 時間(s) 加速度
(km/h/s)
距離(m)
力行 A 2.0 1000
惰行 30 0.0 1000
制動 37.5 -3.2 B

問題文には「よって」とありますが、表に示すとおり、まだ力行時にかかった時間Aと、制動時の距離Bはまだ求めていません。そこで、この二つの値を求めて、時間・距離それぞれの合計を算出します。

まず、力行時にかかった時間ですが、式(1)を使えば簡単に出ます。速度v=120km/h, 加速度2.0km/h/s,初速度v0=0ですから、代入すると120=2.0t。t=120/2.0でA=60秒となります。

次に制動時の距離です。式(2)でも式(3)でも算出できますし、制動時の平均速度がvm=60km/hだと気付けば、単純に時間37.5秒をかけて、60/3.6(m/s)×37.5(s)からB=625mと求めることもできます。

この結果から、以下の解答が得られます。

  • ( 4 ) = 60 + 30 + 37.5 = 127.5(秒)
  • ( 5 ) = 1000 + 1000 + 625 = 2625(m)

いかがでしたでしょうか。「目がチカチカする」という方もあれば、「こんなの式を書くまでもないだろ」とおっしゃる方もあるかもしれません。また、「120km/hまで加速度一定なんて新幹線じゃあるまいし」との感想を持つ方もあるでしょう。機会があれば、走行抵抗や加速曲線、勾配を上るのに必要な出力なんかの問題も取り上げてみたいと思います。ではでは。

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2012年10月24日

前回の鉄道設計技士に挑戦 問題編は、みなさん、できましたでしょうか?では、解答編といきましょう。

なお、この問題に関しては、正答しか載っておらず、解説がありませんでしたので、私の勝手な解説を付けてあります(笑)。

直流モーターの制御

  1. 鉄道車両を電気で駆動する方式が実用化されて以来、主電動機には速度制御が容易な直流電動機が使用されてきた。その速度制御は、抵抗の短絡や電動機の直・並列制御などにより行われる。

正解はです。

モーター(電動機)は、発電機と基本構造が同じなので、モーターを回すと発電する作用が現れます。これはモーターにかけた電圧と逆方向に生じるので、逆起電力と呼びます。つまり、モーターを回すと、モーター内部では「モーターを回すまい」とする力が出てくるんですね。

この逆起電力は回転速度に比例します。つまり、速度が低いときは小さいけれど、速度が上がるにしたがって大きくなっていきます。逆起電力が大きくなると、電流が流れにくくなり、モーターのトルク(力)が落ちます。トルクを落とさないようにするためには、逆起電力に負けないだけの電圧をかけてやる必要があり、このため電動機には速度に応じて電圧を上げる仕組みが必要となるんですね。

そのもっとも簡単な方法が、抵抗器を電動機と直列に並べ、速度に応じて抵抗を短絡していくことで、モーターの電圧を制御する抵抗制御や、モーターの直列・並列を切り換える直並列制御になります。

現在はインバータによる交流モーター制御が一般的ですが、直流モーターを抵抗制御する方法は長らく続きました。

直流モーターのチョッパ制御

  1. チョッパ制御は、架線からの直流電流を半導体素子により高速でオン・オフし、そのオンとオフの時間を制御することによで平均としてモータに流れる交流電流の大きさを変える制御方式である。

正解は×です。

電力変換装置のいろいろ
変換装置 入力 出力
チョッパ装置
DC-DCコンバータ
直流 直流
位相制御
サイリスタブリッジ
交流 直流/
交流
インバータ 直流 交流
コンバータ 交流 直流

いわゆる電機子チョッパ制御に関する問題です。1番の解説で書いたとおり、モーターの制御には速度に応じて電圧を変える仕組みが必要です。チョッパ制御は、直流電流を高速でスイッチオン・オフし、オンの時間の長さにより平均電圧を制御するPWM制御。電圧を無段階で制御できることから、乗り心地もよく、空転を起こしにくい制御方法です。

さて、問題文で誤っているのは「モーターに流れる交流電流」という箇所。チョッパ制御は、直流電流を入力し、直流電流を出力します。モーターに流れるのは直流電流です。

インバータ制御

  1. インバータ制御は、架線からの電力を、インバータ装置の半導体スイッチを組み合わせてオン・オフすることで、三相交流の電圧と周波数を制御し、交流モータを回転させる速度制御方式である。

正解はです。

インバータ制御は、保守が容易で小型・高出力の交流モーターを、速度が変化する電車の制御に応用した方法です。

交流モーター、とりわけ三相かご形誘導電動機は、構造がきわめてシンプル。固定子に三相交流を流すと、回転子に誘導電流が勝手に生じるので、回転子に電気を送るブラシや整流子が必要ありません。このため、小型化・高速化が可能で、メンテナンスも楽ちんです。

しかし、交流モーターを制御するには、電圧だけでなく、速度に応じた周波数の制御も必要でした。昔はこんな方法はなかったので、三相かご形が使えなかったんですね。ところが、パワーエレクトロニクスの発展により、電圧だけでなく周波数も自由に変えられるインバータが開発され、交流モーターも使えるようになりました。

インバータの仕組みは、問題文にあるとおり。基本はチョッパと同じPWM制御です。これを三相分用意し、交流を作るため電流の流れる方向も反転できるスイッチング回路となっています。

インバータ制御による交流電気車

  1. 交流電車、直流電車ともに交流電動機を使用した電車があるが、交流電車は、架線の交流を変圧器で変圧し、そのままインバータにより電動機を制御するので、架線の直流を交流に変換する直流電車よりも主回路機器が少ない。

正解は×です。

一見正しいように見えますが、架線を流れる交流は単相交流で周波数も50Hzまたは60Hzと固定です。一方、モーターが必要とするのは、三相交流で、速度に応じ電圧と周波数が変わる電流なんですね。これは、交流とはいっても、まったくの別物です。

さらに、三相交流を出力するインバータの入力電源は直流であることが求められます。このため、インバータによる交流電気車は

  • 架線(単相交流)→ [変圧器・コンバータ] →(直流)→ [インバータ] →(三相交流)→ [モーター]

このようにインバータに入る前に、コンバータで交流を直流に直してやる必要があります。また、交流電化の電圧は一般に高いので、変圧器で適正な電圧にいったん落とします。したがって、主回路機器は直流車に比べて多くなります。

直流モーターの時代には、交流電気車も変圧器のタップ制御や連続位相制御など、交流にしかできない電圧制御を行っていました。しかし、インバータ車の場合はあくまで直流車がベースで、交流電車と言っても、構造自体は交直流電車に近いんですね。

なお、交流を直接変換するサイクロコンバータなるものもありますが、周波数の制御範囲に制約があり、速度制御範囲の広い電車には不向きです。

空転と滑走

  1. VVVFインバータ装置では、直流モータで行っている主抵抗器の抵抗値を変える方式よりも、車輪の空転や滑走が発生しにくいという特徴がある。

正解はです。理由は大きく分けて二つ。

一つは、抵抗制御の電圧制御は、段階制御であるということ。抵抗の短絡時にはどうしても電流の急変・トルクの急変が起こります。これに対し、インバータ制御は電圧・周波数の制御が無段階で連続的です。このため、粘着力いっぱいのトルクを出しながら速度を上げていくことが可能です。

もうひとつの理由は、空転が起こったときの挙動です。インバータ制御では、モーターが空転を起こしても、そのモーターのトルクが低下しすぐに再粘着する優れた特性があるんですね。

誘導モーターのトルクは、モーターの回転数と周波数の差、すべりに依存します。モーターが回る速度より、流す電流の周波数を少し早くしてあるんですね。この差をすべりと言いますが、すべりによって回転子に誘導電流が流れて、誘導モーターはトルクは出るというわけです。誘導モーターが空転するとすべりが小さくなりますから、回転子の誘導電流が減ってトルクが小さくなります。トルクが小さくなれば、空転はすぐに収まるというわけです。

一方の直流モーターはそういう特性がないのかと言えば、そうではありません。直流モーターも回転数が上がると逆起電力が増加して、電流が減りトルクが低下します。ですから、モーターそのものは空転が収まりやすい特性を持っています。問題は、抵抗制御であることです。

抵抗制御は、モーターと抵抗器を直列につなぎます。起動時はモーター同士も直列につながっています。ここで一つのモーターが空転したとします。空転したモーターは逆起電力が増加して、見かけの抵抗値が増加します。もし、モーターが並列なら、抵抗が大きくなったモーターは電流が減るのですが、直列の場合は逆です。抵抗値の上がったモーターに電圧がたくさんかかり、電流も減りません。結果、トルクが低下しないので、モーターの空転は収まらないことになるんですね。

というわけで、空転を起こしやすい原因は直列回路であることです。直流モーターを使っていても、交流電気機関車はモーターが並列ですので、大空転を起こしにくい特性を持っています。


長くなりましたので、2問目は次回にしますね。

2012年10月18日

業界誌を読んでいたら、鉄道設計技士試験の演習問題が載っていました。土木系の試験なのですが、こんな問題もあるんですね。みなさんもよかったら、回答してみてください。

1問目は電気車の制御に関する問題です。

次の文章は電気車の制御について述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には×を回答欄に記入しなさい。

  1. 鉄道車両を電気で駆動する方式が実用化されて以来、主電動機には速度制御が容易な直流電動機が使用されてきた。その速度制御は、抵抗の短絡や電動機の直・並列制御などにより行われる。
  2. チョッパ制御は、架線からの直流電流を半導体素子により高速でオン・オフし、そのオンとオフの時間を制御することによで平均としてモータに流れる交流電流の大きさを変える制御方式である。
  3. インバータ制御は、架線からの電力を、インバータ装置の半導体スイッチを組み合わせてオン・オフすることで、三相交流の電圧と周波数を制御し、交流モータを回転させる速度制御方式である。
  4. 交流電車、直流電車ともに交流電動機を使用した電車があるが、交流電車は、架線の交流を変圧器で変圧し、そのままインバータにより電動機を制御するので、架線の直流を交流に変換する直流電車よりも主回路機器が少ない。
  5. VVVFインバータ装置では、直流モータで行っている主抵抗器の抵抗値を変える方式よりも、車輪の空転や滑走が発生しにくいという特徴がある。

どうでしょう。マニアでも解けそうな問題ですよね(笑)

続いては、運転曲線に関する問題です。

次の文章はA駅とB駅の運転曲線について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な数値を回答欄に記入しなさい。なお、制動開始時の空走時間は考えないものとする。また、解答の数値に小数第2位以下がある場合は、小数第2位を四捨五入して小数第1位で解答しなさい。

列車は、A駅から一定加速度2km/h/sで加速し、1kmの地点で惰行運転に入る。惰行運転開始時の列車の速度は( 1 )km/hである。1kmの地点で2kmの地点まで惰行中、列車は一定速度を保って走行しており、惰行中の時間経過は( 2 )秒である。2kmの地点で、B駅に入場するため制動をかける。停止までの減速度は3.2km/h/sで一定であり、制動開始から停止までの時間は( 3 )秒である。よって、A駅出発からB駅到着までにかかった時間は( 4 )秒、A駅とB駅間の距離は( 5 )mである。

マニアにもおなじみの単位や言葉が出てきています。中学か高校初等レベルの物理の知識が必要ですが、これもやってみてください。解答は次回にお届けします。

2012年08月21日

ご無沙汰しています。ちょっと仕事で外部プロジェクトに関わっている関係で、CADとWordとPowerPointでテキストを作る日々。ブログまで手が回りませんでした^^;

では、サポっていたうちに起きた動きをまとめてお伝えします。

313系5000/5300番台 各2編成16両 大垣区へ投入

平成22年度(2010年度)より進められている313系の4次車投入。全120両のうち平成23年度(2011年度)までに88両が投入され、119系全編成がすでに引退しています。今年度(2012年度)は残る32両が投入され、117系の淘汰が予定されています。

さて、今年度の投入先は大垣車両区。これまでに今年度予定数の半分である16両が、7月18日・8月8日の両日に渡って新製配置されました。配置となったのは5000番台(6両編成)のY114・Y115編成、および5300番台(2両編成)のZ2・Z3編成。ともに、すべての座席が転換するクロスシートを備え、セミアクティブサスペンションを装備するなど、高速性と快適性を追求した東海道線快速系のフラッグシップとも言える車両です。

5000番台(6両編成)の編成表を以下に示します。2006年度に3次車として、12編成72両が投入。その後、2010年度(4次車)に1編成(Y113編成)が追加になり、そして今年度に2編成が追加。残り両数と車番の関係から、あと2編成(Y117編成まで)が投入予定と見られています。

313系5000番台(6両編成)
編成名 クモハ
313
サハ
313
モハ
313
サハ
313
モハ
313
クハ
312
投入年度
Y101 5001 5301 5001 5001 5301 5001 2006年度
Y102 5002 5302 5002 5002 5302 5002
: : : : : : :
Y112 5012 5312 5012 5012 5312 5012
Y113 5013 5313 5013 5013 5313 5013 2010年度
Y114 5014 5314 5014 5014 5314 5014 2012年度
Y115 5015 5315 5015 5015 5315 5015
Y116? 5016 5316 5016 5016 5316 5016 2012年度
予定?
Y117? 5017 5317 5017 5017 5317 5017

一方、2両編成の通称5300番台は、2010年に1編成のみがはじめて新製となりました。クモハは6両編成と異なり5300番台を名乗りますが、クハは5000番台で6両編成の連番です。このこともあって、6両編成はY117編成まで増備されるものと容易に予想ができたわけですね。

313系5300番台(2両編成)
編成名 クモハ313 クハ312 投入年度
Z1 5301 5018 2010年度
Z2 5302 5019 2012年度
Z3 5303 5020
Z4? 5304 5021 2012年度
予定?
Z5? 5305 5022

残り両数から考えて、5300番台もあと2編成(Z5編成まで)増備されるものと見られています。これで計32両です。

117系運用 1行路を減らして8行路に

313系5000/5300番台の増備を受けて、117系の運用行路にも変化が出ています。

もともとJR東海の117系は、大垣車両区に4両編成が18本・計72両の配置でした。運用は予備を1編成確保して17行路ありました。ところが、2010年度に大垣車両区へ313系(1100/5000/5300番台)が計36両投入されると、同年10月には9行路に半減。廃車も進みました。

一方、昨年度(2011年度)は新車投入が神領車両区に集中したため、117系は余剰編成の廃車が出た程度で、行路数に変化はなく、2012年3月のダイヤ改正でも運用に変化はありませんでした。

しかし、今年度の313系5000/5300番台の追加投入を受け、いよいよ1行路が313系に変更。8行路に運用を減らしました。

JR東海117系平日運用本数の推移
主たる運用 2010年
3月
2010年
7月
2010年
10月
2011年
3月
2012年
8月
(1) 豊橋~浜松
折り返し運用
2 2 2 0 0
(2) 大垣~浜松
送り込み運用
3 3 1 0 0
(3) 岐阜~岡崎
(岡崎停泊)
1 0 0 0 0
(4) 米原~名古屋
ラッシュ時快速
6 6 4 6 6
(5) 米原・名古屋~岡崎
米原~大垣
5 4 2 3 2
合計 17 15 9 9 8

8月時点の運用行路図を以下に示します。今回313系に運用変更されたスジも、色を変えて載せています。

前述のとおり、今年度すでに313系は16両分が投入されています。単純計算ではあと3行路の変更が予想されますが、残りの117系の運用はすべて2編成併結の8両運用で、2行路ずつの変更しかできません。さらなる追加投入があるまでは、あと2行路の変更に留まるものと予想できます。

また、気になる117系の定期運用全廃時期ですが、2008年の313系4次車投入発表時「新車投入は平成25年まで」と公式アナウンスがあったことから、予定に変更がなければ年内の全廃はなく、年明けまで持ち越しそうです。

その他 気になる動き

さて、このほか、ブログをサボっている間に起きた気になる動きをまとめておきます。

  • 119系が西へ陸送
  • 313系8000番台が新型台車を履き、飯田線で試運転

すでに旬を過ぎた話題で恐縮ですが(苦笑)、いまだ結果が明らかでないので、備忘録代わりに書いておきます(笑)。

119系は昨年度にすべて213系・313系に置き換えられ、西浜松に集結していましたが、スクラップにされることもなく放置状態でした。ところが、いくつかの編成がトレーラーで陸送されているのが目撃されています。地方私鉄への譲渡が考えられますが、最終的な行き先はいまだ不明です。

一方、313系8000番台ですが、新型の台車を履いてB204編成が飯田線で試運転を行っているのが目撃されています。現在は中央線の通常運用に復帰ししましたが、中間モハは新型台車を履いたままとなっています。

個人的に興味があるのは、後者の新型台車です。これまでJR東海の台車といえば、国鉄205系・DT50の流れを組む、円錐積層ゴムのウィング形式が大半でした。JR他社が簡便な軸梁形式に移行する中で、頑なにこの形式を守っていました。一方、この新型台車は、軸バネをシングルのコイルバネとし、軸箱支持装置を円錐積層ゴムブシュによる片側支持としています。近鉄でよく見られる形式ですね。軸箱支持を円錐積層ゴムとすることの利点は、軸箱の前後剛性を自由に変えられることが挙げられます。前後剛性がほぼ固定の軸梁式台車とは異なり、自己操舵台車にも向いています。

このあたりは、時間があるときに図でも描いて、ゆっくり説明したいと考えていますが、どうなることやら(苦笑)。

追記

2012年12月に117系で新たな動きが出ました。運用が半減しています。

2013年1月に313系が追加投入。Y116編成・Z4編成が新製されています。。


関連記事
2012年04月04日

JR東海運用情報、みなさんから新ダイヤの情報を多数いただき、運用がどんどん判明しつつあります。情報をお寄せくださった方々に感謝いたします。

さて、今回のダイヤ改正に伴う運用変更で、注目を浴びているのが中央線の夕ラッシュ。編成両数が軒並み短くなっている減車です。春休み期間中であった改正直後はともかく、とかく新年度は混雑しますので、こんな両数で夕ラッシュを裁けるのか、といった危惧の声がネット上に上がっています。

そこで、本当に編成は短くなっているのか、何が原因でこうなったのか、考察してみることにします。

中央線 夕方ラッシュダイヤ

まずは、中央線の夕方ラッシュ時の下りパターンを見てみましょう。

基本を20分パターンとして、[快速|中津川]・[普通|多治見]・[普通|高蔵寺]、この3本が走るのを基本。これに[特急しなの|長野]と、[セントラルライナー|中津川]が、それぞれ1時間に1本入り、特急1・ライナー1・快速3・普通6の毎時計11本の構成です。

このうち、高蔵寺行きは毎時1本が愛知環状鉄道・瀬戸口まで延長運転。セントラルライナーの前を走る快速は瑞浪止まりになります。

さて、それぞれの列車の需要を考えてみると、

  • [快速|中津川] > [普通|多治見] > [普通|高蔵寺]
中央線平日夕方下り 20分パターン
種別 行先 先行列車
との間隔
快速 中津川(瑞浪) ・・・・・・6分
普通 多治見 ・・・・・・6分
普通 高蔵寺(瀬戸口) ・・・・・・・・8分

であることが予想できます。長距離を走る列車ほど混雑するのはやむを得ないところです。そこで、ダイヤを構成するにあたり、先行列車との運転間隔を調整することで、なるべく混雑が偏らないようにしてあります。

具体的には、混雑する[快速|中津川]と[普通|多治見]について、先行列車との間隔を狭めて混雑を緩和。一方、[普通|高蔵寺]は先行列車との間隔を8分開けて、利用率を高めるようにしてあるというわけです。

このパターンは、17時台から20時台まで続き、現在の中央線の状況に適したダイヤだと思います。

問題の18時台はどう変わったか

では、編成両数はダイヤ改正を挟んでどう変わったのでしょうか。まずは、とくに減車がひどいとささやかれている、夕ラッシュピークの18時台です。改正前・改正後・増減をまとめてみました。また、適正外と言われる6両編成も着色してあります。

平日下り18時台 編成両数の比較
名古屋
発時刻
種別 行先 改正前後の両数
改正前 改正後 増減
18:00 CL 中津川 6両 6両 -
18:02 普通 瀬戸口 8両 6両 ▲2
18:08 快速 中津川 10両 10両 -
18:14 普通 多治見 7両 6両 ▲1
18:22 普通 高蔵寺 7両 10両 +3
18:28 快速 中津川 8両 6両 ▲2
18:34 普通 多治見 7両 6両 ▲1
18:40 特急 長野 - -  
18:42 普通 高蔵寺 7両 6両 ▲1
18:48 快速 瑞浪 8両 8両 -
18:54 普通 多治見 6両 6両 -

とまあ、ご覧のとおりで、確かに減車が目立っています。これまで7両ないし8両が中心だった編成が、軒並み6両編成が中心となっています。なかには、増車された列車(18:22発)もありますが、もともと7両の列車を10両に増やすぐらいなら、ほかの列車に回して欲しいとという声も聞こえてきます。

とくに激しい混雑が危惧されているのは、18:28発の[快速|中津川]の6両化です。ダイヤを調整して快速の混雑を緩和しているとはいえ、この時間の6両はやはり厳しいと予想されています。

個人的には、18:02・18:42発の普通列車が気になります。この2本の列車、特急やライナーの2分続行で名古屋を発車するため、信号で速度制限を受けてしばしば遅れます。遅れにより、先行する普通列車との間隔が10分以上開いてしまうこともあり、よく混雑するんですね。これが6両は痛いかもしれません。10両に増やすなら、18:22よりこっちの方が正解だったかもしれません。

このように18時台を見ると、混雑が増す方向であることが読み取れます。

一方、19時台以降は…

次に19時台~20時台です。こちらも、快速の減車はあるものの、逆に増えている列車も目立ちます。どうも単なる減車とは言い難いようです。

平日下り19・20時台 編成両数の比較
名古屋
発時刻
種別 行先 改正前後の両数
改正前 改正後 増減
19:00 CL 中津川 6両 6両 -
19:02 普通 瀬戸口 7両 8両 +1
19:08 快速 中津川 8両 8両 -
19:14 普通 多治見 10両 10両 -
19:22 普通 高蔵寺 6両 8両 +2
19:28 快速 中津川 7両 6両 ▲1
19:34 普通 多治見 6両 10両 +4
19:40 特急 長野 - -  
19:42 普通 高蔵寺 6両 6両 -
19:48 快速 瑞浪 7両 6両 ▲1
19:54 普通 多治見 8両 6両 ▲2
20:02 普通 瀬戸口 7両 6両 ▲1
20:08 快速 中津川 7両 8両 +1
20:14 普通 多治見 7両 6両 ▲1
20:22 普通 高蔵寺 6両 6両 -
20:28 快速 瑞浪 7両 6両 ▲1
20:34 普通 多治見 6両 8両 +2
20:38 HL 中津川 - -  
20:42 普通 高蔵寺 7両 8両 +1
20:48 快速 中津川 7両 8両 +1
20:54 普通 土岐市 10両 10両 -

7両編成の排除と編成パターンの妙

比較してきた中で、大きな変化にお気づきの方も多いでしょう。改正後に7両編成が見あたらないということです。

中央線の編成両数は、3・4・6・7・8・10と多数のパターンがあります。両数の組み合わせが多いと「停止位置を間違えやすい」という運転側の問題を有していました。また、奇数両数の列車は、編成の最後部位置を合わせて停めたいような駅(たとえば大曽根の上り)で、不都合が生じます。そこで、今回の改正では、7両編成を極力排除したようです。同様に奇数両数の3両編成は、ライナーを除くと、ここ数年のダイヤ改正でめっきり数を減らしていました。

とはいえ、7両がなくなったとしても、平均的に7両を確保した上で、列車や時間帯に合わせて編成を確保すれば問題はありません。たとえば6両編成と8両編成に組み替え、混雑する列車や時間帯に8両編成を優先的に充てれば、よいはずです。

ところが、中央線の場合、うまくいかない事情があるんですね。これには朝ラッシュの編成を考える必要があります。中央線の朝ラッシュは10両編成が基本で、組み合わせパターンは以下の2種類に大別できます。

  • 中央線朝ラッシュ10両のパターン
    • 4連+3連+3連
    • 4連+4連+2連

さて、夕ラッシュから夜にかけては、翌朝のラッシュ時10両から編成を抜き取った形で運用されることが多いのですが、問題はここです。4+4+2は2両を抜いて8両編成が組めますが、4+3+3のパターンでは、7両を組まないとすると、10両編成のまま運用するか6両編成しか組めないことになります。朝ラッシュのパターンも4+3+3の方が多いので、必然的に6両編成が増えてしまうわけです。

これを踏まえて、もう一度両数の変化を見てみると、7両が軒並み6両になった一方で、10両に増えた列車が散見されるという、二極化ダイヤになっていることがわかります。その一方で、8両編成の総数はさほど変化がありません。

さらに遅い時間帯

平日下り夜間 編成両数
名古屋
発時刻
種別 行先 改正後
編成
21:42 普通 高蔵寺 6両
21:50 HL 中津川 6両
21:54 普通 瑞浪 6両
22:02 普通 高蔵寺 6両
22:08 快速 中津川 8両
22:14 普通 多治見 8両
22:26 普通 高蔵寺 6両
22:36 快速 中津川 10両
: : : :
23:06 快速 中津川 10両
: : : :
23:58 快速 瑞浪 10両

さらに遅い時間帯を見てみましょう。ホームライナーが1本廃止になり、変わりに快速が1本増発された時間帯です。ダイヤが変わっていますので、改正前後の比較はできません。

この時間帯で特徴的なのは、快速が長編成だということです。23時以降の快速も抽出してみましたが、やはり10両編成で、改正前と比較してもむしろ増車の傾向にあるようです。夕方だけ見ると、「快速を減車して車両キロをケチっているのでは?」とも思いましたが、トータルはそれほど変化がないというところでしょうか。ただ、この時間帯に10両を持ってくるのなら…、という批判もありそうです。

朝ラッシュに注力した?

ここまで見てきて思ったのは、全体にバランスが悪いなあということです。18時台より20時台の方が輸送力として大きいように思いますし、混雑する列車とそうでない列車の編成バランスも、ちぐはぐな感じがします。

さて、なぜこうなったのか、一つ考えたのは、今回の改正は朝ラッシュの混雑緩和に注力したのではないか、という点です。以前の記事で取り上げましたが、今回の改正では朝ラッシュのダイヤにえらく余裕を持たせて、混雑による遅延に備えています。さらに、朝ラッシュのピークの編成を見ても、改正前はバラついていましたが、改正後は編成をなるべく揃える配慮をしているんですね。

このように改正前は、313系を付ける位置が前だったり後ろだったり、3両だったり4両だったり、と様々だったのですが、改正後は一部を除いて後ろに2両または3両で統一されているようです。

7両を排除朝ラッシュ対策を重点に、この二つに重きを置いた結果、そのしわ寄せが夕方に来てしまったのかもしれません。これが、吉と出るか凶と出るか、まずは学校の休みが明ける来週からの状況に注目してみましょう。


Wirtten byyj2
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