前回お伝えしたとおり、213系5000番台(H3・H4編成)が近畿車輛での改造を終え、4月21日に神領車両区へ戻りました。
その後、しばらく音沙汰がなかったのですが、昨日・今日と神領車両区で留置されているのを確認しましたのでお伝えします。通常この手の車両は、パンタを下げて「東留」と呼ばれる高蔵寺寄りの留置線に置いてあるのですが、今回はパンタを上げて車内灯も点けた状態で、西側に留置してありました。
甲種輸送で近畿車輛から送られた時点では、半ば作りかけの状態でもあったのですが、きちんと整備が行われたようで運転席背面の壁もきれいになっているのが見えました。ATS表記もPTが書き加えられています。
では、あらためて観察した結果を報告します。
番号 | 項目 | 内容 |
---|---|---|
1 | 増粘着装置 | セラジェット設置(第1軸および第4軸) |
2 | 半自動ドア | 313系4次車と同様のタイプ |
変更 なし |
パンタグラフ | 増設等変更なし |
スノープラウ | 未設置 | |
座席配置 | 大きな変更なし |
まず、外観に大きな差異は認められません。車番も改番されておらず、以前の番号のままです。注意して見ると、台車に増粘着装置(セラジェット)が装備されていること、ドア横に半自動ドアを開くボタンが設置されている程度です。
一方、スノープラウ(雪かき器)の装着はなく、パンタグラフの増設も行われていません。このあたりは、飯田線用に作られた313系1700番台と異なるところです。
番号 | 項目 | 内容 |
---|---|---|
2 | 半自動ドア | 313系4次車と同様のタイプ |
3 | トイレ新設 車椅子対応 |
床下にタンク。 |
4 | トイレ部の側窓は塞がれる。 | |
5 | 車椅子スペース | 新たにトイレ向かい側設置。 |
クハ212の大きな変更点はトイレの追加です。クハの後位に設けたのは他の形式と同じですが、211系や313系とは左右逆に付いているのが特徴です。トイレ設置の側窓は塞いでありますが、窓枠の跡が残っており、ステンレス車の改造の難しさが忍ばれます(笑)。
トイレを設置した向かい側は座席を撤去し、車椅子スペースとなりました。これは313系と同じです。ただし、クハ212は運転席付近にも車椅子スペースを設置済みであったため、1両に2箇所も車椅子スペースがあることになりました。
また、213系は発電ブレーキを装備していないことから、回生失効対策でブレーキ抵抗器を増設する可能性も考えられました。クモハ213は機器を集中装備しており搭載スペースがありませんので、ひょっとしたらクハ212にとも思ったのですが、相変わらずクハの床下はすっきりしたまま。電装品の変更はなさそうです。
前回の記事でワンマン準備工事らしきものが行われていると書きましたが、あいにく車内の様子はそこまで細かくわかりませんでした。甲種輸送の際は、クモハ213運転席背面の座席が撤去されていたのですが、今回復旧したのかどうかはまだ不明です。
ただし、ドア横の車椅子スペース表示は、クハ212には2箇所あるものの、クモハにはありませんでした。
後日、ワンマン工事が結局なかったことを確認しています。詳しくは以下の記事をごらんください。
また、その後の動きについて、随時情報をお送りしています。以下をご覧ください。