地震によって電力供給が問題となるなか、節電啓発担当大臣に任命された蓮舫議員ですが、これまで打ち出してきた内容を見ると…
…正直、こんなんでだいじょうぶなのかな?と心配になってきます^^; どうやら今回の問題において、ポイントがどこにあるのか、あまり理解していないようです。
もちろん、節電をコツコツとやることも大事なのですが、この夏を乗り切るにはもっと重要なことがあります。それはピーク電力を抑えるということです。
発電所があちこちでトラブルを起こして使えない、この状況を家庭の電気使用に例えるならブレーカーのアンペア数が低くなったと考えるとわかりやすいでしょう。たとえば、これまで40アンペアだったブレーカーの容量が20アンペアに下がったとします。家庭用の電力は一般に100ボルトで送られていますから、単純計算で100×20=2000ワットまでしか使えない状況になったとして、以下の電化製品を同時に使ったらどうなるでしょう。
そうです。簡単にブレーカーが落ちてしまいます。じゃあ、どうすればよいか?簡単です。同時に使わなければよいのです。これは直接節電とは関係ありませんが、夏に向けて電力を確保するというのは、この考え方がもっとも重要なんですね。
右の図は、中部電力のサイトに示されている「夏の日の一日の電力の使われ方」を示した図です。これを見ると、昼間は気温の上昇に合わせてエアコンがフル稼働するため消費電力が大きくなるとともに、人々が活動する時間帯に電力消費が集中していることがわかります。逆に気温が低く、多くの人が寝ている夜間は電力消費がぐっと減ります。
今回重要なのはピークを抑えること。それを考えると、夜間のコンビニ照明を落とすとか、サマータイムはほとんど意味がないことがわかります。サマータイムは夏の間だけ時計を1時間早めるものですが、1時間時計を早めたところで、暑い昼間に活動するのは何も変わりません。図にある昼休みの凹みが1時間ずれるだけで、ピークを抑える効果はまったくないんですね。
サマータイムが導入されているヨーロッパは、夏の気温が日本ほど高くなく、そもそもサマータイムの効果自体が違うと言えるでしょう。暑い日本ではサマータイムよりシエスタでも導入した方がむしろ効果的かもしれません。
「節電には早寝早起き」と考えている人も多いようですが、こと今回の件に関しては、「昼間寝て、夜活動する」方がむしろ効果があります。
理科離れが進んだせいか、ゆとり教育の弊害かわかりませんが、どの電化製品が電気をたくさん消費するのかわかっていない人が増えているようです。大量に電気を消費するのは、一般に「熱」に関連する電化製品なのですが、まずはこれをしっかり啓発してほしいものです。その上で、それらの製品を電気以外の方法にシフトできないか、あるいは電力消費の低い夜間に使用するよう心がけるなど、もうちょっと科学的にやってほしいところですね。待機電力など小さいところに目を向けるのも結構ですが、まずは影響の大きいものをきちんと把握しないと、節約した「つもり」で終わってしまいます。
シエスタ - 午後1時から4時ぐらいまでの長い昼休み。スペインやイタリアなどでお昼寝タイムの慣例がある。