先週末ごろから、JR東海の出発合図が車掌のブザー式にすべて変更となった模様です。運転席には「ブザー確認」と書かれたステッカーが貼られ、車掌の合図を待ってから発車するようになりました。
JR東海はこれまで一部を除き、「戸閉め知らせ灯」の点灯を運転士が確認して、出発合図に代える方法でした。一方、私鉄や地下鉄などでは、車掌が電鈴やブザーによって運転士に出発合図を送る方法が採用されていました。どちらが安全かは言うまでもありません。これまでのJRの方法では、扉が閉まったことだけを確認して、前しか見ないで発車してしまうのですから、車掌がホームに取り残されたり、危険な状態のまま発車してしまうリスクが高くなります。
伝統的に知らせ灯だけで発車していたJR各社も、徐々にブザー式に変更となり、現在ではJR東日本と東海だけが残っていました。ここへ来て、東海もブザー式に変更。結構なことだと思います。
さて、ついでですので、これまでJR東海の出発はどのように行なわれてきたか、簡単に変遷をまとめてみました。
最初の確認動作は下の表のとおり。えらく簡単に行なわれていました。指差呼称もほとんど瞬間的なもので、ドアが閉まるとすぐに発車していました。
呼称例 | 指差箇所 | 確認内容・動作 |
---|---|---|
「点」 | 戸閉知らせ灯 | 戸閉め知らせ灯の点灯確認 |
「進行」 | 信号機 | 信号現示の確認。現示によっては「注意」「減速」など。 |
「発車」 | - | ブレーキ緩解・マスコン投入 |
「定時」 | - | 定時発車の場合。延発の場合は「○分○秒延」 |
正確な時期はわからないのですが、出発に関する確認動作に対し規則の変更が行なわれたようで、しっかり時間をかけて行なうようになりました。
呼称例 | 指差箇所 | 確認内容・動作 |
---|---|---|
「点」 | 戸閉知らせ灯 | 戸閉め知らせ灯の点灯確認 |
「時刻」 | 時刻表 | 発車時刻の確認 |
「オーライ」 | 時計 | |
「進行」 | 信号機 | 信号現示の確認。現示によっては「注意」「減速」など。 |
「発車」 | - | ブレーキ緩解・マスコン投入 |
「定時」 | - | 定時発車の場合。延発の場合は「○分○秒延」 |
確認が増えたのは発車時刻だけですが、動作をひとつひとつ丁寧に行なうようになり、ドアが閉まってから発車するまで4秒程度かかるようになりました。4秒とは言え、意外と長く感じるものです。最初は扉が閉まってもなかなか発車しないので「あれ?」という表情をする乗客も多かったように思います。
このほか、車掌の確認動作も徹底され、「時刻オーライ」「信号オーライ」「乗降完了」などをしっかり換呼するようになりました。このため、小駅の停車時間が15秒では足りなくなったように思います。
正直、ここまで徹底するなら、もっと安全なブザー式にすればいいのにと思っていましたが^^;
そしてブザー式へと変更になりました。ブザー式の導入に伴い、さらに発車までの時間が延びることを嫌ったのでしょう。時刻表の確認動作が省かれています。ただ、戸閉め知らせ灯が点灯してから、ブザーが鳴るまで少し時間がありますので、その間に確認しているようですね。
呼称例 | 指差箇所 | 確認内容・動作 |
---|---|---|
(ブザー) | - | 車掌より発車オーライのブザー鳴動 |
「点」 | 戸閉知らせ灯 | 戸閉め知らせ灯の点灯確認 |
「進行」 | 信号機 | 信号現示の確認。現示によっては「注意」「減速」など。 |
「発車」 | - | ブレーキ緩解・マスコン投入 |
「定時」 | - | 定時発車の場合。延発の場合は「○分○秒延」 |