導入が近づいているmanaca。前回は基本機能についてお話ししましたが、今回は使用上の注意点などを。
manacaはカードの残高(チャージ)で使います。このチャージした金額、あるいはmanacaを買ったときにチャージされている金額を定期代にすることはできません。名古屋市交通局では10,000円のmanacaも売っていますが、「定期代にちょうどいい!」とか言って買っちゃわないように注意しましょう^^;
また、manacaは「マイレージポイント」と呼ばれるポイント還元があります。トランパスにあった「おまけ」(たとえば5000円を買うと5600円使える)の替わりのシステムとして用意されたものです。ですから、もともと「おまけ」の関係ない定期券にマイレージポイントは付きません。
いまのところmanacaはJRで利用できません。また、JRの電子マネー乗車券「TOICA」も名鉄で使うことはできません。となると問題になるのが、JRの改札を間借りしている豊橋駅・弥富駅です。この両駅に関しては、manacaでJRの改札を出ることができます。
ただし、そのままJRに乗り換えることはできません。豊橋・弥富駅までmanacaで名鉄電車を利用し、その後JRに乗換える場合、いったんmanacaを精算するために改札までタッチしに行く必要があります。
金山駅にはJRとの連絡改札がありますが、名鉄でmanaca、JRをTOICAといった2枚のICカードを使う通り方はできません。manacaとTOICAの両方を使いたい人は乗換改札ではなく、通常の改札を通る必要があります。あるいは、manacaかTOICAどちらかに絞って、もう片方は磁気券で乗換改札を通ります。
また、名鉄名古屋駅には近鉄との乗換改札もありますが、ここも同様です。近鉄ではPiTaPaやICOCAが使えますが、manacaと組み合わせて通ることはできません。
一度manacaに発行替えした定期券を、磁気券に戻すことはできないので、乗換改札を使っている人はmanaca定期券にする前に一考の余地ありです。
manacaには交通利用のほかに、manaca加盟店で買い物ができる電子マネー機能があります。ちょうど「おサイフケータイ」や「Edy」のように使えるわけですね。manacaには2種類の発行元があって、電子マネーとして使う場合は違いがあります。下の表をごらんください。
発行会社 | エムアイシー | 名古屋交通 開発機構 |
---|---|---|
購入場所 | 名鉄電車 名鉄バス 豊橋鉄道 |
地下鉄・市バス あおなみ線 ゆとりーとライン |
マイレージ ポイント |
利用可 | 利用可 |
加盟店での 電子マネー利用 |
利用可 | 利用可 |
電子マネーポイント たまルン |
利用可 | 利用不可 |
つまり、購入場所によって異なる会社のmanacaが発行されるわけです。違うと言っても、交通利用に違いはなく、マイレージポイントも相互に溜められ、利用も可能です。異なるのはmanaca加盟店で買い物をしたときにつくポイント「たまルン」の有無です。こちらは名鉄系の発行会社エムアイシーのmanacaでないと、「たまルン」への入会ができません。
さて、この「たまルン」、まだポイント付与率なども明らかになっていませんが、ちょっとシステムはアナログなんですね。以下は名鉄のサイトの抜粋です。
- 会員IDを・パスワードを入力して会員サイトへログイン
- 登録してある「たまルン」ポイント残高を確認
- 発行したい「たまルン」チャージ券の枚数を入力して申請
- 「たまルン」チャージ券が郵送で到着
- 名鉄の取扱窓口へ「たまルン」チャージ券とmanacaを渡してチャージ
基本システムはSuicaなどと共通ですから、拡張に限界があったんでしょうが、…電子マネーと言いつつ、ポイントを使うために、郵送、窓口へ申請って、なかなかのアナログ感覚です^^;
「manaca オートチャージ」で検索して来られる人が多いので、追記しておきますが、manacaにオートチャージ機能はありません。オートチャージとは、クレジットカードなどと組合せて、チャージ残高が少なくなると、自動的にカード口座から引き落としてチャージする仕組みです。SuicaやPASMO、PiTaPaなどで搭載できる機能です。また、方式は若干違いますが、ICOCAにもキャッシュレスでチャージできるSMART ICOCAがあります。
manacaは現在のところ、このような仕組みはありません。