みなさん、大変ご無沙汰しております。しばらく前になりますが、JRの2016年3月ダイヤ改正概要が発表となりました。JR東海のプレスリリースはこちら。
改正日は3月26日で例年より少々遅いですが、北海道新幹線開業に合わせたものでしょうか。また、ダイヤそのものは小振りな改正ですが、車両運用についてエポックが目立ちます。
改正の主な内容はプレスリリースPDFの1枚目に書かれていますが、これだけでは読み切れない内容があるので、ちょっとアレンジしてみました。
とくに目を引くのが特急しなのの大阪乗り入れ廃止で、すでにネットではニュースとして取り上げられています。また、早朝深夜に大垣まで乗り入れていたJR西日本の223系等が乗り入れをやめるなど、気動車の更新完了と合わせてJR東海の車両の画一化が加速していますね。
ながらく不通であった名松線の家城~伊勢奥津の営業運転が再開となります。
名松線は松阪と伊勢奥津を結ぶ路線ですが、2009年10月の台風により線路が被災。松阪~家城の折り返し運転となり、家城~伊勢奥津間はバス代行運転が行われていました。
安全運行が確保できないとの理由で当面はバス代行を継続すると発表され、利用客の少ない区間であることから廃止の可能性も示唆されました。しかし、地元自治体が治山工事を行うことで、JR東海も復旧へ進路変更。実に6年半ぶりの運転再開となりました。
運転再開後のダイヤもリリースに掲載されています。車両はキハ11形300番台(2行路)と思われますが、朝に限り家城で乗り換えとなっていること、現行のダイヤでは2両編成で紀勢線への直通列車があることなどから、朝はキハ25形も走るかもしれませんね。
このブログで再三お届けしてきましたが、JR東海では旧型気動車の置き換えを2014年度から実施しています。武豊線の電化で捻出するキハ75・キハ25形(1次車)、およびキハ25形2次車の新製により、キハ40系・キハ11形(300番台を除く)を淘汰するものです。
すでに、高山線・太多線系統では2015年7月にすべての置き換えが完了。その後、紀勢線・参宮線系統にもキハ25の新製投入が続き、この12月には多気~新宮間からキハ40系が撤退しています。
そしてダイヤ改正では、残る亀山~鳥羽間のキハ40系の置き換えが完了するというわけです。以下は、以前の記事で想定した、置換え前と後の気動車総数の比較表です。当時の想定のまま推移するようです。
形式 | 平成26年3月 (2014年) | 平成28年3月 (2016年) |
---|---|---|
キハ85系 | 80両 | 80両 |
キハ75形 | 40両 | 40両 |
キハ25形 | 10両 | 62両 |
キハ11形0番台 | 9両 | - |
キハ11形100番台 | 23両 | - |
キハ11形200番台 | 2両 | - |
キハ11形300番台 | 6両 | 6両 |
キハ40形 | 14両 | - |
キハ47形 | 5両 | - |
キハ48形 | 40両 | - |
キヤ95系 | 6両 | 6両 |
キヤ97系 | 21両 | 21両 |
合計 | 256両 | 215両 |
さて、各気動車区の配置想定を見てみましょう。JR東海の気動車区は、名古屋(海ナコ)・美濃太田(海ミオ)・伊勢(海イセ)の3つがありましたが、来春伊勢区は名古屋区に統合されて廃止となる予定です。したがって、紀勢線・参宮線系統の気動車は名古屋区持ちとなります。
形式 | 名古屋 | 美濃太田 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
キハ85系 | 80両 | - | 80両 | |
キハ75形 | 一般 | 16両 | 6両 | 22両 |
ワンマン* | - | 18両 | 18両 | |
キハ25形 | 0代 | - | 10両 | 10両 |
1000代 | 8両 | 16両 | 24両 | |
1500代 | 28両** | - | 28両 | |
キハ11形 | 300番台 | 6両 | - | 6両 |
キヤ95系 | 6両 | - | 6両 | |
キヤ97系 | 8両 | 13両 | 21両 | |
合計 | 152両 | 63両 | 215両 | |
* キハ75ワンマンは改造車を含む ** キハ25-1500代は12月末現在で22両。 |
ところで、リリースには「すべてキハ75・キハ25形に」とありますが、大半の普通列車はキハ25(ロングシート)と考えられます。キハ75は美濃太田へ半分以上が転属しており、快速みえの運用で手一杯。土休日には美濃太田からの応援を仰いでいるほどです。一部時間帯での参宮線の間合い運用はあると思いますが、紀勢線多気以南でのキハ75定期運用はまずないでしょう。
また、キハ11形300番台は、リリースの発表から考えて名松線限定運用と考えられます。なお、200番台の廃車にともない東海交通事業 城北線でも使用されています。
現在、JR東海から大阪方面への直通列車として、特急ひだ(大阪~高山)と特急しなの(大阪~長野)が1往復ずつ設定されていますが、このうち特急しなのの大阪乗り入れがなくなり、しなのはすべて名古屋発着となります。
乗り換えなしで大阪方面から長野方面へ直通する列車として設定されていましたが、新幹線が並行して走る区間でもあり、近年の当該区間乗車率は2割程度だったとのこと。廃止やむなしでしょうね。そういえば、特急しらさぎの名古屋~米原間も年々乗車率が下がっています。米原以北はそこそこの乗車率があるので、急ぐ客が増えているのでしょう。
また、早朝深夜に大阪方面と直通していた大垣発着の普通列車3往復が直通運転を廃止します。この列車にはJR西日本の223系等が使用されており、しなのの乗り入れと車両使用料相殺の意味合いがあったとも思われますが、合わせて廃止としたものと思われます。
その代わり、夜間の米原~大垣折り返し列車3往復が、名古屋まで直通する快速に改められることになっています。これに合わせ、ホームライナー関ヶ原が大垣までの運転に縮小されます。
2015年3月に電化がなされた武豊線。前回の改正では、夕方時間帯の直通運転拡大・増発がなされました。
今回の改正では、夕方時間帯に1本直通の区間快速(武豊行)を増発。また、大府で新快速との乗り換えが必要だった列車については、同一ホーム乗り換えとして待ち時間を短縮(8分→2分)としています。
このほか、朝時間帯には岡崎~共和間で普通列車を1本増発するとのことです。
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