JR東海の気動車の動きについて、これまで以下の記事を書いてきましたが、
引き続きさまざまな動きが出ており、過去の記事が追記だらけになってきましたので、現状をまとめておきます。
さて、JR東海は旧式気動車(40系・11形)の更新を進めており、おおむね
また、伊勢区の更新車として、キハ25形の気動車の新製が始まりましたが、伊勢区は今年度末に名古屋区に統合されることから、配置先は名古屋区となりました。
では、2015年5月現在のJR東海気動車の配置両数一覧を見てみましょう。着色部は、ここ1年の新製・転属・廃車等によって、配置総数に動きのあったものを示しています。
形式 | 名古屋 海ナコ | 美濃太田 海ミオ | 伊勢 海イセ | |
---|---|---|---|---|
85系 | 80 | - | - | |
75形 | 0/100 | 12 | - | - |
200/300* | 4 | 12 | - | |
400/500* | 0 | 12 | - | |
25形 | P0編成 | 4? | 6? | - |
P100編成 | - | 16 | - | |
M編成 | 6 | - | - | |
11形 | 0/100/200 | - | 消滅 | 15 |
300 | - | - | 6 | |
40系 | 40形 | - | 6 | 7 |
47形 | - | 消滅 | - | |
48形 | - | 12 | 16 | |
95系 | 6 | - | - | |
97系 | 8 | 13 | - | |
* 合計 * | 120 | 77 | 44 |
* キハ75のうち、200/300・400/500番台は改造後に改番したものも含む
キハ75は名古屋区から美濃太田区へ合計24両が転属し、転用改造を順次行いながら、高山線・太多線の主力として運行されています。キハ25は、美濃太田区向けにP100編成(1000番台)を16両新製したほか、武豊線で使われてきたP0編成(0番台)も使用する予定ですが、ドアステップの転用が完了しておらず、高山線・太多線での運用はP100編成に留まっています(下表)。一方、紀勢線・参宮線向けとしてM編成(1000番台)の投入も始まりました。
形式 | 配置数 | 運用中 |
---|---|---|
キハ75 | 24両 | 18両 |
キハ25-0 | 6両? | - |
キハ25-1000 | 16両 | 16両 |
キハ40 | 6両 | 6両 |
キハ47 | - | 運用終了 |
キハ48 | 12両 | 12両 |
キハ11 | - | 運用終了 |
気動車の新製・転用にともない、美濃太田区のキハ11は完全消滅。一部は伊勢区へ転属となりましたが、その他はミャンマーやひたちなか海浜鉄道へ譲渡されています。キハ40系についても、ミャンマーへの譲渡が行われ、キハ47は形式消滅となりました。
なお、伊勢区は配置数こそ変化ありませんが、美濃太田区から転属となったキハ11やキハ48により、玉突きで廃車になる車両も出ています。
武豊線の電化によって余剰となったキハ75が、名古屋区から美濃太田区へ合計24両転属しました。非ワンマン車の200/300番台が12両、ワンマン車の400/500番台が12両です。
美濃太田区での運用にあたっては、冬期の耐寒改造が必要で、これを順次実施しているほか、非ワンマン車のワンマン改造も一部行われています。これにともない、美濃太田区のキハ75は改番がなされ、
の2種類の車番に統一される見込みです。なお、美濃太田区のキハ75には、3両編成の運用もあることから、非ワンマン車はもっぱら3両組成に組み込まれています。
下表に現状を示しました。緑地はワンマン車です。
種車 | 改番後 | 備考 |
---|---|---|
203+303 | 1203+1303 | 耐寒改造 |
204+304 | 1204+1304 | |
205+305 | 未改造(運用中) | |
206+306 | 3206+3306 | ワンマン 耐寒改造 |
207+307 | 3207+3307 | |
208+308 | 3208+3308 | |
401+501 | 3401+3501 | 耐寒改造 |
402+502 | 3402+3502 | |
403+503 | 3403+3503 | |
404+504 | 5/1 日車入場 | |
405+505 | 名古屋工場入場 | |
406+506 | 3406+3506 |
3月の改正時に改造済は6両だけだったのですが、その後、日本車輌のほか、全検と合わせて名古屋工場でも改造が進められ、18両の施工が完了しています。このペースで行けば、少なくとも6月末には改造が完了するものと思います。
現状、改造の関係で、運用両数が18両に留まっている美濃太田のキハ75ですが、7月にはフル運用が始まり、キハ40系の残る運用を置き換えていくことになるのでしょう。
追記 - twitter情報に寄りますと、日車入場中だった405+505が改造を終え、6月1日3405+3505に改番のうえ出場した模様です。
武豊線の電化によって捻出されたキハ25形0番台は、高山線北部の運用のため、側扉にステップを取り付ける改造を順次実施しており、いまだ運用に入っていません。改造は日本車輌で行われていますが、キハ75の改造に比べるとかなり時間がかかっています。全部で5編成のうち、改造済は3編成です。
編成 | 所属 表記 | ステップ改造 | ||
---|---|---|---|---|
状況 | 入場 | 出場 | ||
P1(1+101) | 海ミオ | 3/16 | 4/24 | |
P2(2+102) | 海ナコ | 3/16 | 5/19 | |
P3(3+103) | 海ナコ | 4/16 | 5/29 | |
P4(4+104) | 海ミオ | 施工中 | 5/12 | - |
P5(5+105) | 海ミオ | 施工中 | 5/21 | - |
所属表記はまだ海ナコのままの編成もありますが、順次海ミオに書き換えられていくものと思います。
キハ25形は、武豊線で使われていた1次車のほか、2次車を昨年度16両・今年度36両の新製が進められています。2次車はビードレス車体にロングシートの構成で、エンジン出力(520/450PS→430PS)や最高速度(110km/h→95km/h)が抑えられているとのこと。昨年度分16両(P100編成・1000番台)は美濃太田区に配置済で、すべて運用に入っています。
今年度分についても新製が始まり、名古屋車両区に1000番台6両(3編成)が配置されました。伊勢車両区の気動車更新のための車両になりますが、今年度末で伊勢区は名古屋区に統合されることになっており、配置は名古屋区となっています。
編成名 | 車番 | 所属 | 状況 |
---|---|---|---|
P101 | 1001+1101 | 海ミオ | 高山線・太多線で 運用中 |
P102 | 1002+1102 | ||
: | : | ||
P108 | 1008+1108 | ||
M1 | 1009+1109 | 海ナコ | 紀勢線・参宮線で 試運転 |
M2 | 1010+1110 | ||
M3 | 1011+1111 |
また、2次車には寒地向けの1000番台と、暖地向けの1500番台があるとアナウンスされていますが、今回入ったのは寒地向けの1000番台でした。参宮線・紀勢線に寒地向けは不要なのですが、波動輸送や予備車の不足時に備えて、一部の編成は美濃太田区に融通できるようにしたものと見られています。今年度分36両ありますので、ある程度は寒地向けにしたのでしょう。
ダイヤ改正で運用を減らした美濃太田区のキハ40系ですが、運用はまだ残っています。キハ75・キハ25-0の改造が完了するまでは継続するものと思われます。運用の詳細は以下の記事をご覧ください。
形式ごとに見ていきましょう。キハ40は、昨年度に1両が廃車となったものの、その後は変化がありません。
状況 | 車番 | |
---|---|---|
運用中 | 6両 | 5501 5802 6304 6307 6309 6312 |
廃車 | 1両 | 6304 |
ミャンマーへ | - | - |
一方、キハ47はすべてがミャンマーへ送られ、JR東海の所属はゼロとなりました。
状況 | 車番 | |
---|---|---|
運用中 | - | 運用終了 |
廃車 | - | - |
ミャンマーへ | 5両 | 5001 5002 6001 6002 6003 |
キハ48は昨年度に3両が廃車となっていましたが、まだ12両の運用を残しています。今年度は5両がミャンマーへ送られたほか、検査期限に余裕のある車両4両が伊勢区へ転属。玉突きで伊勢区のキハ48にミャンマー行きが出ています。
状況 | 車番 | |
---|---|---|
運用中 | 12両 | 5501 5803 5804 5806 5508 3810 3815 6501 6808 6812 6815 6517 |
伊勢区へ | 4両 | 3809 3812 6809 6810 |
廃車 | 3両 | 6806 6807 6811 |
ミャンマーへ | 5両 | 5511 5513 3814 3816 6813 |
2015.3改正で定期運用を失った美濃太田区のキハ11は、検査期限に余裕のある3両が伊勢区へ転属し、残りはすべて譲渡されて所属数がゼロになりました。
譲渡先はキハ40系と同様にミャンマー鉄道省が大半ですが、ひたちなか海浜鉄道へも3両。ひたちなか海浜鉄道への譲渡は急遽決まった話だったようで、甲種輸送の手配が付かず、トレーラーで陸送の形を取っています。
状況 | 車番 | |
---|---|---|
運用中 | - | 運用終了 |
伊勢区へ | 3両 | 101 104 105 |
ミャンマーへ | 13両 | 102 103 106 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 |
ひたちなか 海浜鉄道へ |
3両 | 123 203 204 |
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