ちょっと遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今年のJR東海在来線の注目点は、武豊線の電化・それにともなう車両の動きかと思います。電車の新製はほぼ明らかとなっていますが、気動車については昨年末よりさまざまな情報や動きが出ており、いまだ不明な点も少なくありません。そこで、気動車に関する今までの情報から、今年(2015年)3月のダイヤ改正にともなう気動車の転属について整理してみました。これまでの関連記事を紹介しておきます。
全部読んでいただくのは面倒ですから、これらの情報をまず整理します。
最初に現時点で(2015年1月)すでに完了済みの項目です。
さらに、3月までの予定は以下のとおり。
来年度に予定のある動きは次の通りです。
以上の情報から、車両総数を想定してみました。
形式 | 平成26年3月 (2014年) | 平成27年3月 (2015年) | 平成28年3月 (2016年) |
---|---|---|---|
キハ85系 | 80両 | 80両 | 80両 |
キハ75形 | 40両 | 40両 | 40両 |
キハ25形 | 10両 | 26両 | 62両 |
キハ11形 | 40両 | 順次廃車 | 6両 |
キハ40系 | 59両 | 順次廃車 | 全廃 |
キヤ95系 | 6両 | 6両 | 6両 |
キヤ97系 | 21両 | 21両 | 21両 |
合計 | 256両 | ~ | 215両 |
増備はキハ25形2次車の52両。一方、キハ40系(40・47・48)は全廃、キハ11形が300番台の6両以外を廃車。その他は変化なしと考えると、以上のように気動車総数が情報と合致します。
さて、ここからが本題です。
今年の3月1日に武豊線が電化開業します。名古屋区の気動車に余剰ができ、3月14日のダイヤ改正までに美濃太田区へ24両が転属する予定なのですが、その内訳がまだはっきりしていません。現状の名古屋区における一般型気動車の配置を見てみます。
形式 | 配置両数 | ワンマン | |
---|---|---|---|
キハ75形 | 0/100番台 | 12両 | 非対応 |
200/300番台 | 16両 | 一部対応 | |
400/500番台 | 12両 | 対応 | |
キハ25形0/100番台 | 10両 | 対応 |
キハ75形のうち、0番台12両は快速みえ用として新製された一次車です。残り28両は武豊線の輸送改善時に新製された2次車で、非ワンマンの200/300番台とワンマン対応の400/500番台があります。非ワンマンのうち、[キハ75-207+307]の2両はワンマンおよび耐寒改造がなされ、3000を付与して3207+3307に改番されています。
当初有力視されていたのが、この案です。
キハ25の一次車10両と、キハ75のうちワンマン車である400/500番台12両、さらにワンマン改造済みの3207+3307の2両を転属するというもの。計算もぴったり合うので、私もこれ決まりかなと思っていたのですが、しかし徐々に怪しくなってきました。疑問点は次のとおり。
高山線北部の運用を見越して、キハ25形の1次車にはステップ改造が行われると見られています。しかし、3月1日の電化までは武豊線で運用がありますので、順次ステップを付けていくわけにはいきません(ホームよりステップが低くなり、乗降に支障が出る)。となれば、3月1日から改正の14日までのわずなか期間に改造を終えなくてはなりません。
また、ダイヤ改正のリリース(平成27年3月ダイヤ改正について -JR東海ニュースリリース・PDF)を見ると、
高山線・太多線では、平成26年12月から運転を開始している新製のキハ25形気動車をさらに増やすほか、武豊線で使用してきたキハ75形気動車を投入し、…
とあります。文面を素直に読めば、転属するのはキハ75だけと読み取れます。さらに、正月の書き入れ時を前に、12月より快速みえを減車するといった、キハ75の改造を促進する動きも出ています。
にわかに現実味を帯びてきたのが、転属24両はすべてキハ75であるとしたもの。この場合、キハ25の1次車10両は2015年3月の段階で転属せず、ステップ取付改造を完了したのち時期をあらためて転属することになります。
転属するキハ75の内訳について、元よりワンマン対応の400/500番台12両は確定として、残りは200/300番台のうちワンマン改造したものを12両と考えるのが素直ですが、現在の200/300番台の状況は以下のとおりです。
車番 | 状況 |
---|---|
201+301 | ワンマン非対応 運用中 |
202+302 | |
203+303 | |
204+304 | |
205+305 | |
206+306 | 2014/12/1 日本車輌入場 |
3207+3307 | 2014/3/21 ワンマン改造済 |
208+308 | ? |
現時点でワンマン改造が完了しているのは、昨年3月に改造された3207+3307の2両のみ。その後、12月に快速みえの減車が実施されると、206+306の2両が日本車輌に入場し改造を受けている模様です。
さらに208+308の2両は、私の知る限り、年末から運用に就いているのを見かけていません。この2両も年明け早々から改造工事を受けているのかもしれません。みえの減車で3本の行路が浮くはずですからあと2両の改造は可能だとは思いますが、その他は非改造のまま、まんべんなく運用に就いていて動きはありません。
また、12月1日に入場した206+306もいまだ出場の情報がなく、改造にはたっぷり1ヶ月はかかりそうな気配です。となると、3月の改正までにワンマン改造車12両を揃えるのは微妙ではあります。
ただ、転属する24両がすべてワンマンである必要もないんですよね。とりわけ運用車両数の多い朝ラッシュは、ワンマンでなくても運用できます。こう考えると、
形式・番台 | 転属両数 | 備考 |
---|---|---|
キハ75-200/300 | 6~4両 | ワンマン非対応 |
キハ75-3200/3300 | 6~8両 | ワンマン改造車 |
キハ75-400/500 | 12両 | ワンマン対応車 |
こんな想定も考えられます。
さて、美濃太田へキハ75が24両転属すると、名古屋区に残るのが16両となり、問題となるのが快速みえの運用です。
12月からの快速みえの減車がダイヤ改正後も続くとすると、行路数および所用両数は、
となる計算です(詳細は11月4日の記事-12月からのキハ75運用本数をまとめてみるを参照)。
したがって、平日の行路には十分なのですが、土休日は2両(予備車込みなら4両)が不足することになります。
そこで、考えられるのが美濃太田区からの応援です。土休日の太多線・高山線は、平日に比べて朝ラッシュの運転本数・編成両数が少ないので、車両に余裕が生じます。これを土日の快速みえに充当するというもの。金曜日の朝ラッシュを終えたキハ75を名古屋まで回送。金曜の夕方(みえ23号の増結)から運用に入り、日曜の夜に美濃太田まで回送で戻って来るというわけです。
曜日 | 運用 |
---|---|
金曜 | ミオ区朝運用~(美濃太田)~回送~(名古屋)~みえ23号~(伊勢市) |
土曜 | (伊勢市)~みえ6号~7号~16号~17号~26号~(名古屋) |
日曜 | (名古屋)~みえ51号~8号~(名古屋)~回送~(美濃太田) |
なんとも回りくどい方法ですが、武豊線と快速みえの車両が共用されていたこと、武豊線が電化されるとはいえ41両も気動車が減ることを考えると、十分ありえる話とは思います。さて、どうなることでしょうか。
有益なコメントを多数いただきましたので、改めてまとめてみました。
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