みなさんにご協力をいただいているJR東海運用情報ですが、おかげさまで米原地区以外の運用がコンプリートしました。情報をお寄せくださった皆さんに感謝いたします。
さて、あまり話題になっていないのですが、今回の改正で中央西線からあるものがなくなっていることがわかりました。消えたあるものとはセミクロスシート車です。
セミクロスシート車は、ボックスシートとロングシートを組み合わせた車内レイアウト。一昔前に多く見られた近郊形のスタイルです。中央西線も近年はロングシート車と転換クロス車ばかりになりましたが、それでも細々とセミクロス車の運用が残ってはいました。ところが、営業運転は今年の3月に消えてしまったようです。
まず、ご存知のように、JR東日本から塩尻~中津川間に乗り入れていた115系(長野所属)が、211系3000番台のロングシート車に変更となりました。これに加えて、早朝深夜にわずかな運用があった211系0番台(神領所属)の運用が、ひっそりと消滅していたんですね。中津川~塩尻については、JR東日本の運用次第でセミクロス車の1000番台が入る可能性もありますが、名古屋口では完全消滅しています。
中央西線におけるセミクロス車運用の変遷を表にまとめてみました。以下、順に見ていきます。
年度 | 名古屋口 | 木曽地区 | |||
---|---|---|---|---|---|
113系 | 313系 3000 | 211系 0番台 | 313系 3000 | 115系 (JR東) | |
1999年12月~ | 運転 | 運転 | - | 運転 | 運転 |
2007年10月~ | - | 運転 | - | 運転 | 運転 |
2012年3月~ | - | - | 運転 | - | 運転 |
2014年3月~ | - | - | - | - | - |
1999年12月のダイヤ改正。ちょうどJR東海運用情報ページを開設したときにあたりますが、これはJR東海始まって以来の大改正でした。180両余りの313系が大垣・神領区に投入され、特別快速やセントラルライナーが登場。ダイヤ・運用も大きく変わり、中央西線では103系・165系が引退しています。
一方で、状態のよい113系2000番台は、まだ中央線で運用を残していました。また、関西線・中央線木曽地区にはセミクロス車の313系3000番台がメインの車両となり、間合いで中央線名古屋口にも使われました。このほか、2005年の愛知万博開催時には、静岡の113系が大挙して中央線の応援に当たったこともあります。
313系の3次車が2007年に投入、神領区には1100/1600番台が計20両新製配置となり、113系の運用を置き換えました。この時点で、中央西線の国鉄形はJR東日本から乗り入れる115系のみとなりましたが、313系3000番台がまだ幅をきかせていました。
これでしばらく神領区には車両の動きはないと思っていたのですが、飯田線の119系の置き換えにあたり、思わぬ動きが出ました。飯田線に直接新車を入れるのではなく、313系3000番台と213系が充てられることになり、その代わりに関西線・中央線木曽地区用に、転換クロスの313系1300番台が新製配置となったのです。これにより、3000番台はすべて大垣区へ転出。一気にセミクロス勢力が減りました。
一方で、213系の転出の補填として、セミクロスの211系0番台が大垣区より神領区に転入。主として関西線で使われましたが、早朝と深夜に中央線名古屋口でも運用がありました。
そして2014年3月。JR東日本から乗り入れていた115系が211系3000番台(ロングシート車)に置き換わり、中津川~塩尻のセミクロス車運用が消滅。
211系0番台の運用数も関西線では変化がなかったものの、中央線の運用は消滅しました。以前の211系0番台の運用は、1本が関西線の桑名停泊。もう1本は、中央線下りの終電で神領へ戻り、翌日の早朝に名古屋への送り込みを兼ねて営業列車で運行していました。ところが、改正後はこの1本も関西線の亀山停泊となり、早朝・深夜の中央線運用が消滅。神領との往復は、すべて回送列車となった模様です。
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