本日、キハ25形気動車の2次車として新番台区分の1000番台・3編成6両(P101~P103編成)が、美濃太田車両区に新製配置となりました。豊川の日本車輌製造から公式試運転を兼ね、自力回送した模様です。
キハ25の2次車は、JR東海管内の旧式気動車を置き換える目的で導入されたもので、高山線系統・紀勢線系統での運用が見込まれています。JR東海では初のビードレスステンレス車体が採用されるなど、1次車と比べて仕様が異なっていることが特筆されます。
JR東海では、電車に引き続き、旧式の在来線気動車の取替に着手。美濃太田区や伊勢区に残るキハ40・48形などの国鉄型気動車を自社形に置き換える計画です。これにより、JR東海が保有する全ての気動車がJR発足以降に新製した車両になるとのこと。このほかJR東海発足以降に新製したキハ11も一部置き換え対象になるのではないかとも言われています。
キハ25形2次車の新製計画は2年度に渡り、計26編成52両。このほか、武豊線の電化によって余剰となるキハ25形1次車・キハ75形も、旧式気動車の置き換えに充てられる予定です。
以上、JR東海ニュースリリース「平成 26 年度重点施策と関連設備投資について」(PDF形式・2014.3.27)からの抜粋です。
さて、キハ25の1次車はその形状や車内のレイアウトに至るまで、313系1300番台と酷似していました。ほぼ同一の車体に、2両編成のワンマン対応、転換クロスシートなど。
一方、今回投入された2次車はかなり様子が違います。2両編成のワンマンこそ同じですが、ビードのない車体にロングシート、さらに1次車では準備工事であったステップが付いています。違いを表にしてみました。
項目 | 1次車 | 2次車 |
---|---|---|
編成番号 | P1~P5 | P101~ |
番台区分 | 0/100 | 1000/1100 |
座席 | 転換クロス | ロング |
構体 | ビード付きステンレス鋼 窓周り梨地仕上げ |
ビードレスステンレス鋼 全面光沢仕上げ? |
ドアステップ | 準備 | あり |
前面表示器 | 2箇所 | 1箇所 |
投入年度 | 2010年度 | 2014・2015年度 |
投入両数 | 5編成10両 | 3編成6両(現在) 全26編成52両(予定) |
その他 | - | 振動検知装置 鹿衝撃緩和装置 LED室内灯 |
2次車でとりわけ特徴的なのがビードレスの車体、つまり折り目のないステンレス車体です。313系は車体の上部と腰部にビードを付けています。最近の他社の車両はビードのないものが多いので、やや古めかしいとの意見も聞かれました。
ところが、キハ25形2次車ではビードのないすっきりした車体となりました。キハ25・313系はもともと窓が固定であるので、ほぼ完全に近いフラッシュサーフェスボディとなっています。
「いよいよJR東海にも時代の波が…」
と思ったあなた、ちょっと待ってください(笑)。実は先日投入されたばかりの313系5次車(1300番台)は従来と同じビード付きなのです。313系5次車とキハ25形2次車は平行して作られていますので、どうも時代の波ではなさそうです。
ここでtwitterに上がっている写真を見てみましょう。
私があれ?と思ったのは、浦川早瀬さんの写真。トイレの部分の壁がやけにテカテカしているのです。211系や313系はビードのない部分は梨地仕上げが施してありました。一方キハ25の2次車は、実物を見ていないので何とも言えないのですが、窓周りの梨地仕上げもやめてしまったようです。光沢仕上げオンリーでしょうか。ステンレス車体は鋼板が薄いので、時間が経つと波を打ってきますが、これが光沢仕上げだと、ベコベコが目立つんですよね(苦笑)。
その他、車両前面の行き先表示器を一つにしたり、ロングシートを採用したりと、なにげにローカル線向けに廉価版仕様とした気がします。JR東海は、投入線区での差別化が小さい会社でしたので、ちょっと意外です。とりわけ車体にまで差を付けるのは珍しく、これこそ、時代の波でしょうか。
ツイッターでも取り上げたわかちゃんさんのブログに写真がたくさんありましたので、紹介しておきます。
下の方に、車内の様子が写った写真がありますが、
このように、コストダウンが随所に見られます。ドアの内貼りは211系5000番台にもあるんですけどね。なお、車内照明は半円形のカバーで、313系5次車と同じでした。
あまり話題に上がっていませんが、JR東海が開発した鹿衝撃緩和装置も付いています。キハ85に付けたものは、えらく巨大でユーモラスでしたが、キハ25の2次車に付いているものは、スカートと調和してあまり目立ちませんね。
キハ25形1000番台、12月1日より高山線・太多線で営業運転に就くようです。
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