2015年の春に向けて電化工事が行われている武豊線。前回の記事では、電化の概要と電車線(架線)設備について触れましたが、一方で車両の新製も進んでおり、第一陣として313系1300番台×4編成(8両)が神領車両区に本日新製配備されました。今回は車両の話題です。
武豊線の現在の車両は、名古屋車両区所属のキハ75とキハ25。ともに転換クロスシートを備える2両編成でしたから、電化の暁には313系1300番台が投入されるのは、おおかたの予想通り。
一方で、配置が神領車両区となったことには、違和感を覚えた方もあると思います。武豊線の車両は、直通快速として東海道線の名古屋~大府間を走行するため、一見すると大垣車両区所属とするのが自然な気がします。
しかし、よくよく考えてみると、武豊線の列車は線内運行を除くと名古屋発着が基本です。かたや東海道線は名古屋が中間駅であり、大垣を拠点として岐阜や豊橋で折り返すのが基本です。したがって、東海道線と武豊線の車両運用はあまり相容れないことになります。
一方、現在313系1300番台ワンマン車が運行される関西線は名古屋発着。同じく名古屋発着の中央線でも、313系1300番台は増結車として使われます。関西線や中央線の車両は神領所属であり、神領は大垣よりも名古屋に近いとなれば、神領配置は理にかなってもいるんですね。
313系1300番台は、転換クロスシートに車端部ロングシートの車内構成を持つ2両編成。今回、神領に新製配置となった313系1300番台の編成番号はB517~B520となっています。
1300番台にはB400編成とB500編成があり、仕様が若干異なっています。違いを以下に示します。
No. | 項目 | B400編成 | B500編成 |
---|---|---|---|
1 | 増粘着装置(セラジェット) | なし | あり |
2 | ワンマン設備 | 準備 | 対応 |
3 | スノープラウ | なし | あり |
4 | 霜取りパンタグラフ | あり | あり |
5 | 発電ブレーキ装置 | あり | あり |
従来車(4次車) | 8編成16両 | 16編成32両 | |
今回新製(5次車) | - | 4編成8両(8/6現在) |
B400編成は非ワンマンの暖地向け。中央線の増結用、および関西線のラッシュ時に用いられています。
一方、今回増備されたB500編成は、ワンマンの寒冷地向け。関西線や武豊線には寒冷地仕様は不要ですが、運用範囲が中央線木曽地区にも及ぶための処置となっています。twitterにアップされた写真(B517編成)によれば、今回の増備車にもスノープラウが付いていることが確認できます。
さてJR東海の発表では、武豊線の電化にあたり、28両の313系電車を投入するとされています。
今回は8両が配備されましたが、残りの20両はどうなるでしょうか。すべてB500編成もあり得ますが、現在の武豊線は非ワンマン車両も走っています。ひょっとすると、一部は非ワンマンあるいは4両編成(1100番台)なんてこともあるかもしれませんね。
編成名 | クモハ313 | クハ312 | 投入年 |
---|---|---|---|
B501 | 1309 | 1309 | 2011/2012年 (運用中) |
B502 | 1310 | 1310 | |
: | : | : | |
B516 | 1324 | 1324 | |
B517 | 1325 | 1325 | 2014年 |
B518 | 1326 | 1326 | |
B519 | 1327 | 1327 | |
B520 | 1328 | 1328 |
追記です。1月までに全28両が出そろいました。大垣区所属の1100番台J編成12両(4両×3編成)と、1300番台B500編成が追加8両(計16両)です。
さらに追記です。武豊線の電化開業日が2015年3月1日と決まりました。
また、3月14日のダイヤ改正では夕方の増発も行われます。
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