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帰ってきたyokeのブログ。JR東海運用情報の更新情報も兼ねています。
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2012年10月30日

鉄道設計技士に挑戦、前回は1問目の解答編をお届けしましたが、今回は2問目、運転曲線の問題です。まずは、問題文のおさらいから。

次の文章はA駅とB駅の運転曲線について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な数値を回答欄に記入しなさい。なお、制動開始時の空走時間は考えないものとする。また、解答の数値に小数第2位以下がある場合は、小数第2位を四捨五入して小数第1位で解答しなさい。

列車は、A駅から一定加速度2km/h/sで加速し、1kmの地点で惰行運転に入る。惰行運転開始時の列車の速度は( 1 )km/hである。1kmの地点で2kmの地点まで惰行中、列車は一定速度を保って走行しており、惰行中の時間経過は( 2 )秒である。2kmの地点で、B駅に入場するため制動をかける。停止までの減速度は3.2km/h/sで一定であり、制動開始から停止までの時間は( 3 )秒である。よって、A駅出発からB駅到着までにかかった時間は( 4 )秒、A駅とB駅間の距離は( 5 )mである。

時間・加速度・速度・距離の関係式

この手の問題を解くときは、時間t・加速度a・速度v・距離Lの基本的な関係式を知っておくと便利です。だいたい使う式は3つです。単位はメートル(m)と秒(s)を基本にします。

  1. 加速度と速度と時間の関係式
    • v = a・t + v0 ………(1)
    • v:速度(m/s) a:加速度(m/s2) t:時間(s) v0:初速度(m/s)
    • 初速度v0で加速度aでt秒間走行したときの速度vを求める式。
    • この式に限り、速度はkm/h・加速度はkm/h/sでも可。
  2. 距離と加速度と時間の関係式
    • L = 1/2・a・t2 + v0・t ………(2)
    • L:距離(m) a:加速度(m/s2) t:時間(s) v0:初速度(m/s)
    • 初速度v0で加速度aでt秒間走行したときの距離Lを求める式。
    • 式(1)を時間tで積分すると得られる。
  3. 距離と速度と加速度の関係式
    • v2 - v02 = 2・a・L ………(3)
    • v:速度(m/s) v0:初速度(m/s) a:加速度(m/s2) L:距離(m)
    • 初速度v0・速度v0に加速度aで変化するとき、その間に走行する距離Lとの関係式。

では、順に見ていきましょう。

起動から力行、惰行まで

列車は、A駅から一定加速度2km/h/sで加速し、1kmの地点で惰行運転に入る。惰行運転開始時の列車の速度は( 1 )km/hである。

わかっているのは加速度a=2km/h/sと距離L=1km。さらに駅を発車しているわけですから、初速度v0=0であることもわかっています。こんな場合は、式(3)が便利です。

  • v2 - v02 = 2・a・L …(3)

条件の数値の単位をメートル(m)と秒(s)に直します。km/hをm/sに直すには3.6で割ります。

  • v0 = 0 m/s
  • a = 2 km/h/s = 2000m / 3600s / s = 2/3.6 m/s2
  • L = 1 km = 1000m

この値を式(3)に代入して、Vを求めます。

  • v2 - 02 = 2×2/3.6×1000
  • v = √(2×2/3.6×1000)
  • v = 33.33 m/s = 33.33×3.6 km/h
    = 120 km/h

( 1 )の正答は120(km/h)となりましたv(。・ω・。)ィェィ♪
しかし、1km走って120km/hとはすごい加速性能です^^;

惰行

1kmの地点で2kmの地点まで惰行中、列車は一定速度を保って走行しており、惰行中の時間経過は( 2 )秒である。

列車が加速をやめ、惰性で走ることを惰行と言います。鉄道は走行抵抗が小さいので、おおむね等速度運動となります。このときの、速度と時間・距離の関係式は、

  • L = v・t

です。式(2)の加速度aを0にするとこの式になります。速度v(m/s)でt(s)走行すると、走行距離はL(m)。速さ×時間=距離、小学生レベルですけどね^^; これも単位を直した上で条件を入れてみましょう。

  • v = 120 km/h = 120/3.6 m/s
  • L = 2 km - 1 km = 1000m

さきほどの式に代入し、式を変形してtを求めます。

  • 1000 = 120/3.6・t
  • t = 1000/(120/3.6) = 30 s

( 2 )の正答は30(秒)となりました。

制動から停止まで

2kmの地点で、B駅に入場するため制動をかける。停止までの減速度は3.2km/h/sで一定であり、制動開始から停止までの時間は( 3 )秒である。

一定加速度(減速度)で制動をかけるとき、停止までにかかる時間を求める問題です。この場合は、式(1)を使います。

  • v = a・t + v0 ………(1)

初速度v0=120km/h、減速度a=-3.2km/h/s、vを停止時の速度0を代入して、t(s)を求めます。上にも書きましたがこの式に限り、単位はkm/hが混在していてもだいじょうぶです。

  • 0 = -3.2t + 120
  • 3.2t = 120
  • t = 120/3.2 = 37.5 s

( 3 )の正答は37.5(秒)となりました。

A駅からB駅までのトータル

よって、A駅出発からB駅到着までにかかった時間は( 4 )秒、A駅とB駅間の距離は( 5 )mである。

A駅からB駅まで
走行モード 時間(s) 加速度
(km/h/s)
距離(m)
力行 A 2.0 1000
惰行 30 0.0 1000
制動 37.5 -3.2 B

問題文には「よって」とありますが、表に示すとおり、まだ力行時にかかった時間Aと、制動時の距離Bはまだ求めていません。そこで、この二つの値を求めて、時間・距離それぞれの合計を算出します。

まず、力行時にかかった時間ですが、式(1)を使えば簡単に出ます。速度v=120km/h, 加速度2.0km/h/s,初速度v0=0ですから、代入すると120=2.0t。t=120/2.0でA=60秒となります。

次に制動時の距離です。式(2)でも式(3)でも算出できますし、制動時の平均速度がvm=60km/hだと気付けば、単純に時間37.5秒をかけて、60/3.6(m/s)×37.5(s)からB=625mと求めることもできます。

この結果から、以下の解答が得られます。

  • ( 4 ) = 60 + 30 + 37.5 = 127.5(秒)
  • ( 5 ) = 1000 + 1000 + 625 = 2625(m)

いかがでしたでしょうか。「目がチカチカする」という方もあれば、「こんなの式を書くまでもないだろ」とおっしゃる方もあるかもしれません。また、「120km/hまで加速度一定なんて新幹線じゃあるまいし」との感想を持つ方もあるでしょう。機会があれば、走行抵抗や加速曲線、勾配を上るのに必要な出力なんかの問題も取り上げてみたいと思います。ではでは。

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無題
私のような文系脳だと、時間×速度のグラフを書いて面積で距離を求めるほうが楽です。問題を一般化する必要はありませんからね。
丸太さん / 2012/11/10(Sat) /
面積を求めるのが積分
グラフを書いて面積から距離を求める。これは積分の基礎ですね。
なんのことはない、上に書いた式も、単なる求積公式を元にしています。

ただ、グラフだけだと、1番目の問題はちょっと回り道になるんですよね。
v^2 - v0^2 = 2asは覚えておくと楽です。
yokeさん / 2012/11/11(Sun) /
Wirtten byyj2
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