飯田線転用にともなう213系5000番台の改造工事ですが、雪の降りしきる本日2月1日、さらに2編成(H13・H14編成)が改造を終えて神領車両区に戻ってきました。これで14編成中12編成が改造を終え、残りは2月26日出場予定の2編成を残すのみとなりました。
これで飯田線119系の置き換えがさらに進むものと思いますが、一方で飯田線で運用中だったH10編成が先週に落石事故に遭い、運用離脱しています。その他、先日神領区に投入された313系1300番台B500編成の動きも合わせ、ここ1ヶ月間の車両の動きについてお知らせします。
ステンレス構体改造の経験を持つ近畿車輛にて、2011年初頭より実施され、今回の分を含め12編成が改造を終えました。下表にこれまでの改造履歴を示しますが、関西線での運用を終えた6編成が大垣車両区に転属。昨年11月末より、飯田線で運用に就いています。今回のH13・H14編成の改造終了により、さらに転属が進むものと思われます。
一方、神領区所属の213系は、中央線・東海道線で少ないながらも3行路を残しており、予備を含めて4編成が運用中です。この編成も313系1300番台が近々投入され、飯田線への転用が進むものと見られています。
編成名 | 入場日 | 出場日 | 改造 | 所属 | 備考 | |
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1 | H3・H4編成 | 1月7日 | 4月21日 | 大垣区に 転属 |
飯田線で運用中 (H10編成は事故 により運用離脱) |
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2 | H7・H8編成 | 3月10日 | 6月23日 | |||
3 | H9・H10*編成 | 5月19日 | 8月30日 | |||
4 | H1・H2編成 | 7月2日 | 9月20日 | 神領区 | 中央西線・東海道線で 運用中 |
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5 | H5・H6編成 | 9月9日 | 11月29日 | |||
6 | H13・H14編成 | 10月27日 | 2月1日 | 本日到着 | ||
7 | H11・H12編成 | 12月8日 | 2月26日(予) | 改造中 | 春日井着予定 |
ところで、表中にも示していますが、飯田線で運用中だったH10編成が、1月25日に落石事故に遭い、現在運用を離脱している模様です。テレビニュースの映像を見る限り、大事には至っていないようですが、スカートを破損。その他ブレーキ不緩解を起こしたとのことで、足回りを含め修理が必要な状況のようです。予備車がなかったためでしょうか、静岡車両区の313系2350番台(W2編成・ロングシートワンマン仕様車)が急遽代車として運用されているとのことです。
119系の置き換えにあたるもう一つの車両が313系3000番台(ワンマン仕様セミクロスシート車)です。関西線・中央線木曽地区で運用にあたっていた神領区所属のB300編成を大垣に転属。R100編成に改称した上で、飯田線に転用します。
編成番号 (神領区) |
車番 | 所属 | 転属時期 | 転属後の 編成番号 |
備考 |
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B301 | 3013 | 大垣 | 2011年8月 | →R101 | 飯田線で運用中 |
B302 | 3014 | 大垣 | →R102 | ||
B303 | 3015 | 大垣 | 2012年1月? | →R103? | 転属? |
B304 | 3016 | 大垣 | 2011年11月 | →R104 | |
B305 | 3017 | 大垣 | 2011年10月 | →R105 | 飯田線で運用中 |
B306 | 3018 | 大垣 | →R106 | ||
B307 | 3019 | 神領 | - | - | 関西線で運用中 |
B308 | 3020 | 神領 | - | - | |
B309 | 3021 | 神領 | - | - | |
B310 | 3022 | 大垣? | 2012年1月? | →R110? | 転属? |
B311 | 3023 | 大垣 | 2011年10月 | →R111 | 飯田線で運用中 |
B312 | 3024 | 大垣 | 2011年8月 | →R112 | |
B313 | 3025 | 大垣 | →R113 | ||
B314 | 3026 | 神領 | - | - | 関西線で運用中 |
B315 | 3027 | 大垣 | 2011年11月 | →R115 | 飯田線で運用中 |
B316 | 3028 | 大垣 | 2011年10月 | →R116 |
神領のB300編成の置き換えにあたるのが、新車で投入される313系1300番台B500編成(ワンマン仕様転換クロスシート車)。今年1月までに4回に分け、B300編成全編成の置き換えに相当する16編成32両の投入が完了しています。
しかし、こちらの動きはまったりしています。8月・10月に投入されたB500編成は、中央線木曽地区のB300編成を一気に置き換えましたが、関西線の置き換えは慎重に行っているようです。1月18日に最後の4編成が出揃ってすでに2週間が経ちますが、どうやら運用に就いているのは1編成(B513編成)のみのようで、新たに転属したB300編成もあるのかないのか、まだ不明です。
ところで、313系の4次車として投入された313系1300番台ですが、ワンマン仕様車となるB500編成にはこれまでと大きな違いがあります。運転台にドア操作スイッチがないですね。
これまで、JR東海のワンマン車(JR東海に限らず、どこでもそうでしょうが)は、運転台にドアスイッチがあり、ワンマン運行時には運転席に座ったままドア操作ができました。しかし、今回投入した4次車にはこのスイッチがありません。
これはどうやら、昨年3月に行われたドア扱いの変更が関係しているようです。JR東海はそれまで、車掌がドアを閉めると、運転士は戸締めランプ(知らせ灯)の点灯を確認してすぐに発車していました。これを、車掌が運転士にブザーで発車合図を送る方法に変更したのですが、その方法がちょっとスゴイ^^;
さらにこの動作を、一つ一つ時間をかけて行うよう指導されているため、戸締めランプ点灯が点灯してから発車するまで、最低でも8秒、多くは10秒ぐらいかかります。ここまで徹底して確認している会社は、私の知る限りほかにありません^^;
こうなってくると、車掌乗務の列車がこれだけしっかり確認しているのに、ただでさえリスクの高いワンマン車が、ミラーを見て、スイッチ操作でよいのか?と、社内で問題視されるのは想像に難くありません。
結局、ワンマン車も同じような動作を要求されることになったのでしょう。かくして、ワンマン運転士は駅に着くたびに、椅子をたたんで立ち上がり、ドア扱いをしてまた座席を出して、という動作を強いられることになった模様です。
安全のためとはいえ、もう少しスマートな方法はなかったものかと思いますが、それ以上に気がかりなのは遅延です。ひょっとすると、現状の関西線ダイヤでは、4次車のワンマン扱いを行えるだけの停車時間が確保されていないのかもしれません。次回のダイヤ改正では、少々停車時間を延ばすことになるのでしょうが、それまではだましだましの運用をしているといったところでしょうか。
2月22日に、313系1300番台B405~B408編成が神領区に配置されました。これで、神領に残る4編成の213系飯田線の準備が整いました。また、今年度分の新車投入44両も完了したことになります。